うさぎ天国
いま住んでいるアパートから歩いて2分くらいのところに、結構な大木があり、その周りには、かなり目の荒い金網が張り巡らされています。
アパートがある辺りは、新しく出来た町で(引越してきた当初は、郵便番号が国にまだ登録されていなかったくらい新しかった)、以前は何もなかった土地だったようです。2020年現在でも、いまだに周辺は工事現場が多く、そこを金網で囲って入れないようになっているのは分かるのですが、この木だけは、工事現場というわけでもないのに、なんだか特別扱いされているようでした。
その理由はすぐに分かりました。木の根元にうさぎの巣穴があるため、それを保護するためなのだと! ピーターラビットの物語が生まれる国なだけあって、野うさぎがたくさん生息しているようです。まさかこんな身近にたくさんいるとは思っていませんでしたが……。
今の時期は繁殖も活発だからか、この木の周りには小さなうさぎたちがわらわらといます。上の画像に写っているだけで6羽(5羽は簡単に見つかりますが、残りの1羽はどこにいるか分かりますか?)、写真には収められませんでしたが周りにもたくさんの子うさぎがいました。
この木の周辺は、まさにうさぎ天国。静かに近づけばうさぎも逃げたりしないので、もぐもぐと草を食べている様子を見ることができます。しかも、散歩をしていると気づくのですが、この木の下だけでなく、草木が多いほかの場所にもたくさんのうさぎがいるんです。草地だけでなく、工事現場内でも見ましたし、アパートの中庭を全力疾走しているうさぎも何度か見たことがあります。いまじゃうさぎは珍しくもなんともありません。
こんなにうさぎが多いからなのかは定かではありませんが、一度だけ近所でキツネを見かけたことがありました。犬かと思いきや、胴がしなやかに伸びていて、明らかに動きが違いました。
人間にとっては、アパート周辺でかわいいうさぎをたくさん見られるので天国ですが、うさぎにとっては決してそうではない、弱肉強食の世界なのだと思い知ったのでした。