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第4回
「チェロ・ソナタ第1番 第2楽章」作品38-2
(Sonate für Pianoforte und Violoncell Nr.1 op.38-2)
■この曲こそ、昔からずっと私のなかで続いているマイ・ブーム。メジャー曲だけど、スポットを楽章単位であててみた。おぉ、この選び方はちょっとマニアックかも(笑)。■もちろん全曲通して大好きな曲ではある。でも、通してこの曲を聴くとき、必ずといっていいほど第2楽章は最低でも2度は繰り返して聴く。下手したら第3楽章を聴かずに終わらせてしまうことも多々ある。最初、この曲に惹かれたのは第1楽章ではあるが、その惹きつけを強固なものにしたのが第2楽章なのである。■第2楽章は複合三部形式(基礎となる三部形式を複雑化したもの。緩徐曲に使われている)で作られており、Allegretto quasi Menuettoと書かれている。メヌエットとは言いつつも、悲しげで少しこっけいなメロディが始まり。この第1部が終了すると、私がもっとも愛する嬰へ短調のトリオが始まる。この部分のメロディはものすごく情緒的であり、まるで涙が滑らかに頬を伝って流れ落ちていくかのような、また、とめどなく悲しみが溢れてくるかのようだ。そしてトリオが終了すると、第3部として第1部がまったくそのままの形で再現され、この曲は終了する。■この曲は母親の死の悲しみが反映されていると言われている。が、それよりもちょっと下世話ではあるが、私は男女間の「愛のもつれ」を想像してしまう(自分で書いてて恥ずかしい 笑)。特にトリオの部分でかなり強く。こう、なんていうか、愛憎の絡みあいっていうか、その、ぐっちゃぐっちゃなさ、なんかあるじゃん・・・・・・うまく説明できないケド(笑)。このことは恩師もそう言っていたので、あながち想像できないものではないと思うぞ。■メジャー曲であるため、この曲が収録されているCDはたくさん出ている。私には名盤とか名演奏とか、そういった類はよくわからないが、自分で聴いて「好きだな」と思うのが右の2枚。とにかくチェロの音が深い。デュ・プレなんて「ほんとに女性?」っつーくらい太い音。ピアティゴルスキーも音がのびのびしていて、好みの音。ああ、チェロっていいなぁ・・・。■余談を一つ。第1番の前には18歳ごろに書かれた幻の「チェロ・ソナタ」が存在しており、ちゃんと初演もされている(1851年7月5日。初演場所、演奏者はわかっていないが、私の想像では、多分場所はハンブルクで、ピアノ伴奏はブラームスだろう)。しかしこの幻のチェロ・ソナタは、あくまでも若書きの範疇から出なかったためか、同年に大量処分した楽譜の一つとなってしまった。

*楽曲情報*
作曲:1862〜65年
初演:1871年1月14日ライプツィヒ E.ヘーガー(vc)とJ.ブラームス(pf)
私的初演:1865年夏、J.ゲンスバッヒャー(vc)とJ.ブラームス(pf)
出版:1866年 ジムロック社
献呈:ヨーゼフ・ゲンスバッヒャー
編成:チェロ独奏、ピアノ
調性(第2楽章):イ短調(トリオ部は嬰へ短調)

Cello Sonatas/5 IntermezziThe Two Cello Sonatas (左)■The Two Cello Sonatas
J.Du Pre(vc)/D.Barenmoim(pf)
(右)■Cello Sonatas/5 Intermezzi
G.Piatigorsky(vc)/A.Rubinstein(pf)

とりあえず私がブラームスの「チェロ・ソナタ」を聴くときににチョイスしてしまうのがこの2枚のどちらか。頻度がダントツに多いのは、デュ・プレとバレンボイムのもの。ピアティゴルスキーの演奏もおおらかで好き。そういや、昔彼の自伝を読んだことがあるけど、若い頃結構アクロバティックにチェロを演奏したりしてたみたいで、「クスッ」と笑ってしまう。