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第7回
「ハープが豊かに鳴り響く」〜ホルン2本とハープの伴奏による女声合唱ための4つの歌 作品17-1
(Es toent ein voller Harfenklang -Gesaenge fuer Frauenchor, zwei Hoerner und Harfe op.17-1)
■ブラームスと言えば、歌曲の多作家である。その数は200曲近くにものぼる、が。なぜか有名な曲というのは10曲ほどしかない。みなさまが知らないような曲でもすっばらしい曲はたくさんあるのになあ、と残念に思ってしまう。また、ブラームスは合唱曲を多く書いている作曲家でもある。それはオルガン伴奏の曲もあれば、オーケストラ伴奏の曲もあり、無伴奏もあり、はたまた管楽器伴奏の合唱曲もあったりと、種類はかなり多い。■ブラームスはデトモルトとハンブルクで女声合唱団を教えていたことがある。いずれも20代の頃。それをきっかけに徐々に合唱曲を書くようになった。そしてハンブルクの女声合唱団のために作曲されたのが、今回取り上げるこの「4つの歌 作品17」。■まず目にとまるのが、この曲の編成。ホルンが2本とハープ1台、そして女声合唱。倍音が多く、非常にやわらかい音楽であることがなんとなく想像できる編成だ。4曲とも非常に素晴らしい曲なので、取り上げる曲を何にしようかと考えに考えたとき、一番聴く回数の多い第1曲目である「ハープが豊かに鳴り響く(Es toent ein voller Harfenklang)」を選んでみた。出だしはホルンのドキドキワクワクするメロディ。この音というのがサイコーに心地よく感じる。ちょびっと専門的な話で申し訳ないけど、ホルンで演奏される出だし3音は、周波数でいうと約200Hzから約400Hzで、ホルンという楽器が一番よく響く音であり、音の聴こえる範囲が一番広い。参考までに、交響曲第2番第一楽章のホルンで演奏される出だし4音はこの曲とほぼ同じ範囲の周波数だ。好みもあるだろうけど、周波数云々というのは、人間の耳に心地よく聴こえる理由の一つになるかも。ああ、でもこの書き方じゃあんまり確証性を感じられないなあ(笑)。■そしてホルンの後にハープのアルペジオ。この掛け合いが続き、形容するのがもったいないくらいの、ものすごくきれいなメロディで女声合唱が「ハープが豊かに鳴り響く」と歌いながら登場。それはまさに「ィよっ! 待ってました、キレイどころ!」と声に出してしまうような、そんな感じ(笑)。このままずっと終わらずに続いて欲しいと思うような夢見ごこち。ああ至福。ある人が「朝の目覚めにピッタリなクラシック音楽はないか」と言っていたので、間髪いれずこの曲を紹介、いきなり聴かせてみた。「おお・・・。これはなかなか・・・」とちょっと気に入ってくれた。まったりとした雰囲気満点で、二度寝すること間違いなし(笑)。■ここで取り上げる曲は、なかなか演奏会での演目に取り上げられない曲ばかりで、残念で残念で仕方がない、と常日頃思っている。この曲も例に漏れず。編成見れば、そう簡単にできないだろうなあ。でも! この曲が収録されているCDが昔からの定番になっているので(右のCDを参照してね)、他の曲ほど入手することはそう難しくない。「ハープが豊かに鳴り響く」だけでなく、他の3曲も本当に本当に美しくて、涙を誘われてしまうこと間違いなし。超超超オススメ!

*楽曲情報*
作曲:1860年2月 ハンブルク
初演:1861年1月15日 ハンブルク
演奏:ブラームス指揮
出版:1861年1月 ブライトコプフ&ヘルテル社
編成:女声合唱(SSA)、ホルン2、ハープ
調性:ハ長調

BRAHMS:RINALDO/GESANG DER PARZEN... BRAHMS CHORAL WORKS

作品17を聴きたいのなら、上記のCDが手っ取り早い。レーベル(PHILIPS)の「定盤」として店頭に並んでいるからである。しかも入手しやすい価格。作品17は1番だけでなく、2〜4番も珠玉の作品。心が洗われるような音楽に浸れること間違いなし。