古い編み物本Continental Knitting


 先日、古い編み物本をInternet Archiveで探していたとき(探すと言っても、ネットサーフィンをしていたような感じ)、目に留まった本がありました。それはContinental Knittingというタイトルのイギリスで出版された編み物本です(Esther Bondesen著、Maurice Fridberg刊行、1950)。Internet Archiveは、資料の貸し出しをしているので(基本的には1時間の貸し出し、場合によっては数日貸し出してくれるものもあるようですが、私は見たことがない……)、借りて読んでみたらこれがおもしろくてついハマってしまいました。

 このContinental Knittingは、もともとDen Nya Stickbokenというタイトルで1946年ごろにデンマークで刊行された本を英訳したもののようです。英語のほかには、スウェーデン語やノルウェー語、フィンランド語でも刊行されていたようですが、詳細がよく分かりませんでした。

右ページが実際の扉。Translated from the Danish by Lis Kjerとあるので、大元はデンマーク語版で、それを英語に翻訳したのがContinental Knittingということのようです

 

 この本は、I. Knitting Hints、II. Kinitting Designs、III. Renovationの三つの章で構成されています。I. Knitting Hintsでは編み物にかんする基本的な方法、模様の編み方サンプル、刺繍の仕方、ビーズを使った編み方などなど、多岐にわたって解説されていて、II. Kinitting Designsでは、子ども用のものから女性用・男性用セーターやカーディガン、手袋、ミトン、帽子、くつ下などのパターンを紹介、III. Renovationでは基本的な直し方や古いセーターのほどき方など(大半は、どちらかというと詳しいやり方が書かれているというより、こんなやり方があるよ、という提案がされている)が書かれています。どれも見応えあり。昔の本にしては図版がとても豊富で、ただ文字だけを追うよりも分かりやすくなっているのも良し。また、デザインにあまり古臭さを感じない点も気に入っています。この本に掲載されているいくつかのパターンは、編んだ方たちの作品をRavelryで見ることができます(2024年7月5日現在、カーディガン、くつ下、ミトンの一種類ずつ三つのみ)。

また、上記リンク先のページにも書かれていますが、Boy’s Jumper with Monogramという作品は、イギリス王室のジョージ王子(Prince George Alexander Louis of Wales)にちなんで現代にリバイバルされ、Martin StoreyさんがCharlesという名前でRowanから無料パターンを発表しています。二つを見比べてみたら、一部に違いがありますが、基本的には同じものでした。

 古い本ですが、見てて飽きません。
 掲載されているパターンで私がすぐに編めそうなのはやはりくつ下でしょうか。気になるくつ下があったので、いずれ絶対に編もうと思っています。ちゃんと編めるといいなあ。

 Internet Archiveでこの本を借りて読んでいたら、現物が欲しくなってきてしまいました。でも、1950年に刊行されたことを考えると、見つけるのもかなり難しそう。もしどなたかのお祖母さまか曾お祖母さまがたまたま持っていたらラッキーで、まず古書店には出回らないだろうしなあ。持ってる人がうらやましい。
 もしこのなかから何かを編むなら(たとえば前述のくつ下とか)、Internet Archiveで1時間借りて、コツコツと編んでいくしかなさそう。まあ、仕方ないね。ネットでこの本を知ることができ、しかも中身も見れるということだけでも良かった、ということにします(でも、こういうなかなか手に入らないという状況に、逆に燃えてしまうので、地道に探していこうと思う自分もいる……)。

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