別糸を使ったゴム編みの作り目の方法
先日、指なしミトンTreadsを編むときに、手袋の裾のゴム編みをブログ「糸へん便り」で紹介されていた『輪で編む2目ゴム編みの作り目』で編んだことを書きました。
このことが刺激となり、やはり裾はゴム編みの作り目が良いなと思い始めました。
今回編むカーディガンのBreckonはBottom-Up、つまり袖も身ごろも裾から編むことになります。ということで、Breckonを編み始める前に、ゴム編みのことについて書いてみようと思います。
上記記事に書いたように、先日編んだ手袋の裾は2目ゴム編みにしたのですが、記事に載せた写真を見れば分かる通り、私の技術のなさも手伝って、裾の一番下の目が大変汚い。これは指でかけるゴム編みの作り目でもよく起きることだったので、さほど気にしていませんでした。しかし、あるとき、インスタグラムの編み物系動画を眺めていたときに、衝撃を受けました。ゴム編みの一番下目が、よろけたり目が広がったりせず、とてもきれいに整っていたのです(このときは1目ゴム編みだった)。やはりあの汚い目は、もっときれいにできる方法があるのか、とそのまま動画でやり方を見ていたら、どこかで見た記憶がありました。私が持っている本『ヴォーグ基礎シリーズ あみものホットライン ~困ったときにズバリお答えします』(日本ヴォーグ社、1991)にある方法、そのままだったのです。ゴム編みの問題にぶつかったときに、この本のことをすぐに思い出せないとは。ちゃんとこの本を頭から読んでいないことが分かってしまいますね……。
本で紹介されているゴム編みの作り目は、別糸を使った方法です。平編みでそのやり方を解説してみます。まずは、ゴム編みの作り目の前段階となる、別糸をかぎ針で編みつけ、そしてそれを使ってゴム編みの作り目にします。
編むもの
用意するもの
かぎ針で編みつける作り目(別糸を使ったゴム編みの作り目:前準備)
1. 別糸(ピンク)を使って、かぎ針に目をかける。
2. かぎ針を右手に持って左手に糸をかけ、棒針(6号)は左手にかけた糸の上に持って構える。そして、棒針の上から糸を巻きつけるようにかぎ針を動かし、棒針の後ろに渡した糸の下からかぎ針を入れる。
3. かぎ針で糸をかけ、そのままかぎ針にかかっている目に向かって糸を引き、鎖編みをするように編む。
4. 棒針の手前にきた糸を、後ろへ移動させる。
これで1目が編みつけられました。以後2.~4.をくり返し、必要な数だけ編みつけます。この場合、ゴム編みに必要な目数が20目なので、その半分の10目-1目の9目を作ります。
5. 9目まで編みつけたら、かぎ針にかかっている輪を、棒針へ移す。
6. これで全10目となり、完成。
前段階の、かぎ針で作り目を編みつけるのが終わりました。
別糸を使ったゴム編みの作り目
いよいよここからゴム編みの作り目が始まります。
7. 別糸で編みつけた作り目から目を拾い、本糸(水色で最初は表目で1段、端までいったら反対側にして裏目で1段、また表に返して表目で1段と、計3段のメリヤス編みをする。
8. 裏返し、黄色い丸で囲ったところから目を拾う。
9. 最初に拾う目には、右針を右から左へ通す。
10. 拾った目を左針へかける。
11. 拾った目で表目を編む。
12. 左針にかかっている目を裏目で編む。
13. 編みつけた鎖編みにかかっている目を、右針で下から上へ拾って左針にかけ、表目を編む。
14. 以降、12.~13.をくり返し、最後は12.で終わり、できあがり。拾った目は表目、針にかかっている目は裏目で編む、と覚えておくと混乱しなくてよい。
別糸を使ったゴム編みの作り目がどうなったか見てみましょう
14.で出来たものを表にすると、こんな感じになっています。これで2段と数えるので、たとえば8段のゴム編みを編むなら、残りの6段を編んで合計8段とします。なお、ここまで棒針は6号を使っていましたが、ここからは針を変え4号針を使います。
ある程度の段数が編めたら別糸をほどきます。このとき、最後にかぎ針で棒針にかけた目(編地を表にした状態で、左側)から外していきます。あとは糸がほどけるがままに。
別糸を取り外して完成。
以上、別糸を使ったゴム編みの作り目でした。
思ったより図版が多くなってしまったため、えらく長い記事になってしまいましした。考察などは次回に。
続きます。
このやり方で二目ゴム編みが出来ませんか?
二目ゴム編みの別鎖の作り目を探しています。よろしくお願いします。
うにゃさん、コメントありがとうございます。
コメントをいただいて、持っている本を確認してみたら、別鎖を使う2目ゴム編みのやり方も書かれていました。なので、この方法で2目ゴム編みもできるようですよ~。ちなみに私が持っているのは、『ヴォーグ基礎シリーズ あみものホットライン ~困ったときにズバリお答えします』(日本ヴォーグ社、1991)という古い本です(すでに絶版)。最近の本は手に取る機会がほとんどないので、どれに別鎖を使う2目ゴム編みのやり方が載っているのかは分かりません。