銀行で現金を引き出して、それが口座に戻った話

ドイツ全土で大きく展開している銀行のSparkasse シュパーカッセのゲッティンゲン支店。ちなみに、銀行とは関係ありませんが、入り口の上にある装飾には、“17 In der Crone von England 49”(『イングランドの王冠、1749年』とかそんな意味)と書かれていて、1749年に作られたものだとか。ここは、ハノーファー選帝侯でありイギリス国王だった君主たちが、ゲッティンゲンを訪れたさいに宿泊していたHotel zur Croneがあった場所らしいです

 
 先日、夫と外食をするために銀行のキャッシュディスペンサー(以後CDと略)のあるところへ向かいました。ドイツはいまだにクレジットカードが使えないところが多々存在するため、クレジットカードしか持っていない私たちは、外食のたびに現金をちょこちょこ下ろしている生活をしています。
 しかし、これが夫に思わぬことを引き起こしました。反省を込めて書いておこうと思います。
 

 あるとき、夫と現金を引き出したあとCDから離れて歩き始めたときに、後ろから声をかけられました。それは私たちのあとに並んでいた女性が発したもので、「現金忘れてるよ!」と言われたのです。夫がその時ハッとしたかと思ったら「ありがとう! ありがとう!」と何度もお礼を言っていたので、すぐに何が起こったのかが分かりました。夫は現金を下ろしにCDを操作したのに、現金を取り忘れてその場から離れようとしてたのです。夫の友人で金融関係の人がいるらしく、その人から『CDを操作したあとにお金を忘れる人がときどきいる。お金を下ろしに来てるはずなのに、肝心のお金を忘れるってどう言うことだよなあ!』と話を聞いて、夫を含むほかの友人たちと大笑いしたそうなのですが……おなじことしてるやん。しかも一度ならず別の機会にも同じことがあったので二度もやっています。二度ともたまたま親切な方がすぐに教えてくれてことなきを得ていましたが、さすがにどうかと思ったので、私が一緒のときは気がついたら声をかけるようにしていました。

 しかし先日、これまでとはちょっと違ったことが起きました。
 町中にある銀行内のATM機を使って現金を下ろしました。そして食事に行って現金で支払いをしようとしたときに夫が「あれっ? あれっ?」とゴソゴソし始めたのです。話を聞くと、下ろしたはずのお金が財布に入っていないと言うではないですか。『また夫が現金を取り忘れたのね』とすぐに気づきました。ひとまず私が現金を持っていたのでそれで支払いを済ませお店を出ました。その足で現金を下ろした銀行のATMへ行こうとしたら、夫が「下ろしたはずの現金が口座に戻ってる……」と言うので驚き。口座をスマートフォンで管理しているため、それを見せてもらうと、たしかに一度下ろしている記録があり、その後それが口座に戻った記録があったのです。
 このことがあったあとに調べてみて、CDやATMでは、一度引き出した現金がお金が出てくるところにそのまま残っていて一定時間が過ぎると、現金が機械へ戻り、下ろしたお金は口座に戻る仕組みがあることを初めて知りました。夫が下ろしたお金は、これで口座に戻ったという訳です。

 これには二人とも胸を撫で下ろしました。下ろした金額は高額とまではいかないかもしれませんが、€50。これが知らない人に取られていたら、きっとものすごく落ち込んだと思います。そして運が良かった。このとき現金を下ろすのに使ったATMは町の中心地にあり、私たちが普段からよく使っているところなのですが、遅い時間でも利用者が結構いるところでもありました。しかもそこは、夜になるとどこからともなく物乞いやホームレスがやってきて入り口近くに居座っているのが常なのです(ATMのあるところは屋内なので、雨風避けにいるのだと思います。何かされるわけでもないためあんまり気にしたことはない)。私たちがお金を下ろしたときは、たまたま誰も人がおらず、物乞いやホームレスもいなかったのです。そんなことは初めてだったので、珍しいこともあるもんだと思っていました。そして私たちがATMから離れるときに、若いカップルが入ってきましたが、彼らは夫が使った機械ではない別の機械を使い始めたのを見ました。ということは、夫を使ってしばらくは、その機械を使う人がいなかったということなのでしょう。何事もなくお金も無事に戻ってきて本当に良かったです。

 なぜ現金を取り忘れてしまうのかを夫に考えてもらったら、一度に下ろす金額が少額だからということのようです。『まとまった金額のときは、さすがに気をつけているけど、€30とか€50くらいだとスコンと抜けてしまう』らしいです。あと現金が出てくるタイミングも関係があるようですが、現金取り忘れなんてしたことがない私からすると、ちょっと意味が分かりませんでした。
 こういったことを防ぐためにも、私が一緒のときは、現金を取ったかをいちいち確認したほうが良さそうなことが分かりました。もしくは、外食費として月に一度まとめて下ろしておくことも考えた方がいいかもしれません。

 いずれにしても、これまでや今回のことは幸運だっただけと考え、未然に防げるよう気をつけなければなりませんね。

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