10月31日は宗教改革記念日 Reformationstag


 私はエヴァンゲリッシュの信者ではありませんが、10月31日が宗教改革記念日であることは、自分のなかに刷り込まれています。というのも、ドイツにいたとき(2017年)に、マルティン・ルター Martin Lutherが95か条の論題を張り出した1517年から数えて500年を迎えたのです。このときは、ドイツでは各地でさまざまな記念イベントが行われ、そのときに住んでいたカトリック色の強いマインツ Mainzですら、ルターのイベントが目白押しでした。また、ルターに関する本やCDなどが数多く発売され、私もそれに乗じて、ルターの書いた詩にさまざまな作曲家による曲が付いた作品集のCDを買いました(上の写真)。

 また、このときは、1927年に作られたドイツの歴史映画『ルター Luther』をエヴァンゲリッシュ教会が上映するので、それを見に行きました(2017年3月24日、アルトミュンスター教会 Altmünsterkirche)。ただ上映するだけでなく、無声映画であるこの作品に、オルガンの生演奏が付くという、コンサートのような上映会だったのです(演奏者:シュテファン・グラフ・ヴォン・ボトマー Stephan Graf von Bothmer)。映画は古典的な作りなのに、即興で奏されるオルガンの演奏がえらく現代的な音楽だったため、そのギャップにどんどん引き込まれていったことを思い出します。この体験が、10月31日を宗教改革記念日として意識するようになった一番印象的な出来事だったかもしれません。


 10月31日といえば、ハロウィーンでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、年配のドイツ人曰く、ドイツではかなり新しい習慣だそうで、実際にそんなに盛り上がっているようには見えませんでした。それは、住んだのが、カトリック色の強い地域だったせいもあるかもしれません。私が知っている限りでは、たしかにハロウィーンのコスチュームやグッズ、関連商品がスーパーだけでなくデパートにもたくさん並んでいるだけ。町全体が盛り上がるようなイベントが開かれてはいなかったように記憶しています。マインツは大聖堂があり、とくにカトリックが優勢の町です。毎年2月に行われるカーニヴァルの方が町中で大いに盛り上がります(マインツのカーニヴァルは、ドイツ3大カーニヴァルの一つと言われるくらい有名)。

 ドイツは州ごとに祝日が違いますが、全16州のうち、プロテスタントが優勢の州が5つ(主に東側)あり、祝日はプロテスタントのイベントに則って設けられています。そこでは10月31日が祝日なので、宗教改革記念日やハロウィーンに関するイベントが開かれているかもしれませんね(この二つに関連性はないようですが)。ちなみに、私が住んだところは2州ともカトリック優勢だったので、10月31日はただの平日、11月1日が万聖節で祝日でした。

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