Novinophobie「ワインがなくなることへの恐怖症」

Novinophobie(ワインがなくなることへの恐怖症)という看板が店内にあるところが、ワイン都市を標榜するマインツっぽい

 
 編み物をしていると、もし自分が針など先の尖ったものを目にすると強く精神的に動揺してしまう『尖端恐怖症』だったら、こうやって編み物をしていることはなかっただろうな、などと考えてしまうことがときどきあります。編み物は、針の尖端を見続けながらする作業なので、尖端恐怖症で編み物をしている人はいないかもしれません。でももし尖端恐怖症だけど編み物が好きという人がいて、尖端への恐怖に怯えつつ編み物をしているのだとしたらそれはすごい精神力。でも「編み物は一種のセラピー」という言葉が否定されてしまう気がします。まあ、これはたとえ話です。

 先日行ってきたマインツは、ラインラント・プファルツ州のライン川・モーゼ川流域で生産されているワインをもって『ドイツのワイン都市』を標榜しています。昨日の記事(下記)にもチラッと書きましたが、マインツでは一年を通して、ワインにかんするのいろんなイベントが行われます。“Weinkönigin(ワインの女王)”コンテストというのが開催されるのもマインツです。これは、ドイツワインを世界中に広めるための活動をする、ワインに対する幅広い知識を持った女性を選ぶコンテストで、その様子がテレビで中継されるほどです。こんな感じで、マインツとワインは切っても切れない関係なのです。


 
 前置きが長くなりました。
 マインツで入ったカフェのなかにあった看板には、“Novinophobie ノヴィノフォビー”というドイツ語が書かれていました。最初は何のことやら?と思って見てみると、「= die Angst davor, dass der Wein ausgeht ワインがなくなることへの恐怖症」というような意味のことが書かれていました。ますます何のことだか分からなかったので、ネットで調べてみたら、実際に医学的にも認められている、こういう名前の付いた恐怖症があるのだそうです。

 単語を分けると、たぶんNo・vino・phobieとなると思います。私は語学の専門家ではないため、No・vinoと分けるのが正しいかは分かりませんが、そうやって見ると意味が通るように思ったのです。vinoはスペイン語またはイタリア語でワインという意味で、接頭辞的に付いているnoはこれまたスペイン語またはイタリア語の否定語と見ると、「ワインがない」という言葉になります。そして、恐怖症を意味するPhobieが付くと、「ワインがなくなることへの恐怖症」となります。(die) Novinophobieはドイツ語ですが、英語だとnovinophobiaと書くようです。

 「Novinophobie ワインがなくなることへの恐怖症」、これを抱えている本人にしてみたら深刻な問題かもしれませんが、これもちょっとしたおもしろ看板の一種かな、と思いました。もしかしたら、マインツにもこういう人がいるのかも!?
 
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