復活祭のミサが目的で、久しぶりにマインツへ行ってきました

Mainz Hauptbahnhof マインツ中央駅。2022年4月16日は快晴でした

 
 カトリック信者である夫は、普段は教会に通う習慣はありませんが(子どものころは毎週通っていたそうですが)、クリスマスや復活祭(イースター)など、信者にとっての大イベントであるこの二つだけは、可能な限り、必ず教会へ足を運びます。クリスマスはイエズス・キリストが生まれた日であり、復活祭はキリストが十字架にかけられて亡くなった三日後に復活した日なので、とくに復活祭は非常に重要なお祭りだからです。

 ゲッティンゲンにはたくさんの教会が町中にありますが、ほとんどはプロテスタント系教会です。歴史をみると、以前はカトリックの町だったようですが、ルターによる宗教改革以後はずっとプロテスタントの町であり続けています。そして、ニーダーザクセンはプロテスタント優勢の州です。だからか、電車で気軽に行ける距離に、カテドラル(司教座聖堂)がありません。そのため、夫から「復活祭はマインツかケルンのカテドラルへ行こう」と言われました。それならば、歩き慣れてるマインツが良いのではないかという結論に達し、復活祭のミサを目当てに一泊二日でマインツへ行くことが決まりました。こんなふうに出かけるのは、ドイツに再び住むようになってからは初めてです。うれしい!
 
 さて、マインツに到着したのは16日土曜日の午後2時ちょっと前でした。この日は、ドイツブンデスリーガのチーム、マインツ05(以前、岡崎慎司選手と武藤嘉紀選手が所属していたところ)とVfBシュトゥットガルト(現在、遠藤航選手と伊藤洋輝選手が所属しているところ)との試合がマインツで行われる日だったため、駅はサッカー観戦に来た両チームのファンたちでごった返していました。それとともにPolizei 警察も大勢出動していて、ビールを飲みながら大声で歌を歌ったりして大騒ぎしている人たちを厳しい目で注視していました。以前マインツに住んでいたときはこういう風景を何度も目にしていて慣れていましたが、久しぶり(約5年ぶりかも)に接すると、何とも楽しい気分になります。

サッカーの試合があるとなると、Polizaiたちは駅のホームで電車から降りてくる熱狂的ファンを出迎えるように立っており、大騒ぎをしている一団の後ろを付いて歩いていきます

 
駅前にズラッと並んだ大型のパトカー。左側が切れていますが、実際は写真の倍以上の台数が並んでいました

 
 久しぶりに町中へ行ってみると、MarktではまだWochenmarktが開かれていた時間で、Gutenbergplatzなどにはワインのスタンドが立っていたため、周辺は大勢の人で賑わっていました。
 マインツは、春から夏にかけては町のあちこちにワインスタンドが立ち、暑い中ワインショーレ Weinschorle(ワインと炭酸水を1:1で割った飲み物)を楽しむことができ、秋になるとひと月(たしか10月)限定で発酵中のぶどうが原料のフェダーヴァイサー Federweisserが飲めるスタンドが立ったりと、ワインのさまざまなお祭りが開かれる都市としても知られています。ワインショーレの美味しさを知ったのは、マインツでした。

Wochenmarktへは行きませんでしたが、見るからに人が多く、大賑わいでした

 
冷えた白ワインまたはロゼワインを同量の炭酸水で割ってのむWeinschorleは、暑い日にピッタリの飲み物

 
 到着した16日は、住んでいたときによく行っていた飲み屋Eisgrub-Bräuでビールを飲み、夜は、やはりよく行っていた、ステーキハウスEl Chicoで久々の羊肉を堪能しました。
 
 翌日の17日日曜日は、いよいよ復活祭です。実は朝10時からミサがあったのですが(これが本番)、夫の都合で15時からのミサへ行くことにしました。13時ごろに中へ入ってみると、10時のミサを終え、次の15時のミサまで時間があったからか、観光している人たち少しいたものの、教会内はとても静かでした。

マインツ大聖堂。手前の赤い旗に描かれているのは、マインツの紋章で、この端は駅やライン川沿いなどでも見ることができます

 
マインツ大聖堂のなか。太陽の光が教会内を美しく照らしていました

 
 教会の目の前にあるカフェで軽く食事を取ってから(夫はミサ1時間前の14時からは食事が取れない)、教会に入ると、すでに祭壇近くには多くの人が座っていましたが、後方はそうでもありませんでした。午前中のミサに比べると、おそらくかなり人が少なかったでしょうし、オンライン中継もあったようなので、自宅でミサに参加していた人も大勢いたからだろうと思います。ミサ中、信者でない私は、祭壇で繰り広げられる儀式を見つつ、教会内に響く管楽器の音や、オルガン、歌などを聴き、その残響の素晴らしさを思い切り堪能していました。

 ミサが終わったあとは、ライン川を渡って以前住んでいたヘッセン州の州都ヴィースバーデンに属する町マインツ・カステル Mainz-Kastelへ行き、そこから電車に乗って帰ることにしていました。下の写真の赤い矢印は、Kastelにあるカトリック教会で、私たちはそのすぐ近くに住んでいました。ちなみに、なぜ州が違うのにマインツ・カステルと呼ばれているのかというと、ここは以前、ライン川右岸沿いにあったマインツの6つの地区の一画だったからなのです。第二次世界大戦後にカステル側はアメリカ軍に占領され、マインツをフランス軍が占領していた関係で、アメリカ軍の命令によってカステルがヴィースバーデンに組み込まれることになり現在に至ります。そのため、町の名前は、かつてマインツであった名残、というわけです。

 ライン川沿いでは、Mainzer Rhein-Frühlingという大きなお祭りが開催されていて、本当にたくさんの人たちが足を運んでいました。復活祭当日は、祝日な上に日曜日でもあり、町中のお店のほとんどが閉まっているため、このお祭りに行く人が多かったんでしょうね。

 橋の途中には、マインツ(ラインラント・プファルツ州)とマインツ・カステル(ヴィースバーデン、ヘッセン州)の境界があります。ここからヘッセン州に入ります。

 こうやってただ歩いているだけだと、ラインラント・プファルツとヘッセンとの違いはあまり感じられませんが、州が違うと祝日が違うため、マインツでは祝日であっても、ヴィースバーデンでは祝日ではないこともありました。そのため、マインツでお店が開いてなくても、マインツ・カステルでは平日でお店が開いているため、州をまたいで買い物に来る人がたくさんいたなあ。

 橋を降りてすぐのところにあるマインツ・カステル駅からローカル電車に乗って、まずはフランクフルトへ向かいました。フランクフルト中央駅到着後、ゲッティンゲンへ行く列車の時間まで1時間くらいあったので、駅構内にあるUddin’sというスポーツバーで、ビールを飲みながらそのときやっていた試合を大画面で観戦して、そのあと予約したICEに乗って、帰ってきたのでした。帰りの移動はさすがにちょっと疲れましたが、久しぶりの旅行自体はとっても楽しかったです。ゲッティンゲンの広場で開かれていたOstermarktは16日で終了していたため、私たちが帰ってきて通りかかったときにはお店が跡形もなくなくなっていたのが、少し寂しかったです。
 
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