同時にやることが多かった首周り ~Ilaria Shirt
何度もやり直しを経てようやく準備段ができたサマーニットのIlaria Shirt。次の段階では、引き上げ目を編みながら、後ろ身ごろでショートロウと増し目、とこれらを同時にやらなければなりませんでした。目数をいちいち確認しながら落ち着いて編んでいたのに不注意が発覚し、作り目から全部やり直す羽目に。やれやれ。
でも、ほとんど進められていないように見えるかもしれませんが、おそらくこのパターンで一番の難関箇所はなんとか突破できたと思います。
ドイツの毛糸メーカーLana Grossaが販売しているパターン単品ブックレットBeloved Knitsシリーズから、Ilaria Shirtという夏用セーターを編んでいます。ドイツ語で書かれたセーターのパターンを編むのは初めてです。
ブックレットについてのレヴューは↓こちら。
購入したのは紙版でしたが、デジタル版も販売されています。
準備段が終わったあとに最初に編むのは、両袖と後ろ身ごろ。ショートロウ(引き返し編み)をしていきます。
セーターやカーディガンを編むさいは、後ろ身ごろでショートロウをして前身ごろとの段差が出るようにすることが多いかと思います。Ilaria Shirtもそうでした。そして、そのショートロウは『さすが、ドイツのパターン』と言うことなのか分かりませんが、糸を引っ張り上げてダブル目を作るドイツ式ショートロウのやり方が書かれていて、妙に感心してしまいました。
ショートロウをするということは、輪ではなく、一部分で表・裏と平編みで進めていくことになりますが……裏引き上げ目ってどうしたらいいんだ?と疑問に思い、やり方を調べてやっと理解。表目の引き上げ目はいろんなところでやり方を見かけるのですが、裏引き上げ目のやり方はちょっと探さないと見つからなかったこともあって、自分のためにブログ記事にして残しておこうと思っています。
さて、Ilaria Shirtの首周りではほかにもやることがあります。
ショートロウをしていくのと同時に、後ろ身ごろで増し目もしていきます。さらに、編み地は引き上げ目と表目のくり返しもあります。むずかしすぎ。いっぺんにやること多すぎ。引き上げ目の編み地に増し目とショートロウってどうやっていくのさー!と編む前はどうしたらいいのか分かりませんでしたが、パターンのHinweis(「注意」とか「ヒント」とかそんな意味)でこのことが書かれていたのは幸いでした。ほっ。
ここで増し目をするときの注意点には、『かけ目の糸ではなく、編み目と編み目の渡り糸を拾う』ことと、『新しく増やした目は徐々にパターンに入れていく』ことの二つが書かれていました。前者は気をつければいいだけですが、後者は本当にできるのか?と思いつつ編んでみたら、なんとか形になったような気がします。ようは増し目も引き上げ目であるかのように見えればいいのかと考え、多少の試行錯誤はしましたが、そこそこの見た目にはなったと思います。まあ、多少ひどかったとしても、こんな細かいところは誰も見ない見ない(笑)。
ショートロウ部分が編み終わったので、次はやっと輪で編んでいきます。ここからは増し目をしていきながら引き続き引き上げ目のパターンが続きます。
●編み物のドイツ語●
ドイツ語 | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
verkürzte Reihe | short row | ショートロウ、引き返し編み |
1 Doppelm = 1 Doppelmasche | 1 double stitch | (ドイツ式ショートロウでできる)ダブル目 |
Zunahme(n) | increase | 増し目 |
liZun(re) = Linksgeneigte rechte Zunahme |
make 1 left, m1l | 左ねじり増し目 |
reZun(re) = Rechtsgeneigte rechte Zunahme |
make 1 right, m1r | 右ねじり増し目 |