糸と糸とをフェルト化してつなげる方法
先日購入したDROPS DesignのNepalは、ウールとアルパカが原料となっている糸です。
一玉50 gなのですが、Aran糸だからなのか長さにすると75 mほどなので、あっという間に一玉を使い切ってしまいます。
最初の一玉が編み終わったあと、どうやって糸と糸をつなげようか考えたとき、原料が主にウールなこともあって、フェルト化してつなげる方法を取ることにしました。個人的には、以前から何度も使っている手法でしたし、広く知られているため、改めてブログ記事にすることはありませんでしたが、一応書き残しておくことにしました。
これは、糸と糸とをつなぐさいに水を使って手のひらでこすり合わせて揉み込むため、つなぎ目がほとんど分からなくなります。そのため、編地に何の影響も出ず、とても良い方法です。ただし、つなぎ目をフェルト化するためには、糸がウール素材であることが条件となります。アクリルといった化学繊維、綿(コットン)や麻(リネン)ではこの方法が使えません。ウール以外の素材の場合は、結んだり、縫ったりすることでつなぎ目を隠すことができます。結んだ場合の見た目の比較は、以前記事にしたことがありました。
糸と糸とをフェルト化してつなげる方法
用意するのは、新しい毛糸玉とはさみ、少しの水です。
まず、編んでいる糸と新しい毛糸玉の糸端をそれぞれほどきます。今回使っているAran糸は3本の縒りに分けられました。このうちの1本の縒りを、それぞれの糸の端から4~5 cmのところで切ります。
それぞれの糸端を十分に水に浸します。
糸端に水が行き渡ったら軽く絞って、濡れた先を重ねるように手のひらに置き、もう片方の手の平をかぶせて両手をこすり合わせます。
すると、糸が徐々にフェルト化していき、一本の糸のようにつながります。糸によってどれくらいでフェルト化できるか変わってくると思うので、様子を見ながらやっていくといいと思います。こすったあとは、糸を左右に軽く引っ張ってみて、つながったところがほどけないようだったらフェルト化完了です。
このとき、糸を重ねた部分の左右すぐ横がもこもこすることがあるので、そこも手でこすり合わせて均[なら]しておくと、もっと見た目が良くなります。
なお、縒っている糸を切ってからフェルト化するのは、その部分だけ糸の太さがおかしなことにならないためです。縒っている糸を切らずともフェルト化することはもちろん可能ですが、それだとフェルト化したところだけが不自然に太くなるため、見た目があまりよろしくありません。
フェルト化した糸を編んでみると、よく見てみないとどこがつなぎ目なのかが分からなくなっていると思います。
下の写真で赤く囲ったところがフェルト化したところ。近くで見ても言われないと分からないくらいでしょうし、遠目から見たらまったく気づかないと思います。