Wrap and Turnの段消し+ねじり目


 現在編んでいるくつ下の3 Leaves、昨日の投稿ですでに脚 Foot部分を編み始めていると書きましたが、実はかかとでちょっとつまづいたところがあり、調べて解決したことがあったので、記事にすることにしました。
 
 3 Leavesはガセット、ヒールターン、ガセットの減らし目という三段階でかかとを作っていきます。二段階目のヒールターンで、引き返し編みの手法の一つであるWrap and Turnを使ってかかとの丸みを編みます。

 W&Tをするまでは順調だったのですが、その直後に次のような文章が出てきました。

K to the end of the rnd, picking up wraps and k them tog tbl
引用元:52 Weeks of Socks – Beautiful patterns for year-round knitting, p.218, Laine Publishing, 2020

 ここには、W&Tで包[くる]んだ(ラップした)糸をすくって表目と一緒にねじり目にする、というようなことが書かれています。つまり、段消しするさいにねじり目にするということです。これを読んで真っ先に思ったのは、包んだ糸のすくい方が通常と違うのだろうか?ということでした。イマイチよく分かっていなかったため、W&Tの段消しでねじり目をする方法をネットで調べてみることに。そこで見つけたのが、Purl SohoのShort Rows: Wrap + Turnの記事でした。

この記事のコメントに、『[略]パターンに次の目で包んだ糸と一緒にねじり目をすると書かれているのですが、ここでまだ包んだところを拾っているのか、それともいないのか?』というようなことが書かれた質問があり、その答えに『包んだ糸を拾ってそれ(ねじり目)をする[略]』とあって、これを読んでピンッ!とひらめきました。そうか、包んだ糸を拾ってから左針にかかっている目(つまり、W&Tで糸をラップした目)のback loopに針を入れてねじり目にして、包んだ糸と一緒に引き抜けばいいのか!と理解することができたのです。なるほどなるほど。それならねじり目にする理由も分かるってなもんです。

 一応、やり方を写真とともに解説しておきます。

Wrap and Turnでの、段消し+ねじり目のやり方

1. W&Tで包んだ糸を、右針で下からすくう

2. そのまま左針にかかっている目のback loopへ針を入れる

3. 糸をかけて、2.と1.の目に通して引き抜く

4. できあがり。これでねじり目を編むとともに段消しができました

 目が分かりづらかったので、赤線で目をなぞってみました。ねじり目になっていることが分かると思います。W&Tで包んだ糸は、裏側におさまっています。

 赤線で囲ったのは、段消しとねじり目になっている箇所です。

 ねじり目をしたのは、編地に向かって左側(表側でW&Tしたところ)でした。続きを編んでいくと再び編地に向かって右側(裏側でW&Tしたところ)で段消しが出てくるのですが、そこではねじり目の指示はありません。なぜ、左側ではねじり目で、右側では表目にするのかというと、おそらく、左側は目の緩さで穴が開いているように見えるのを防ぐためで、右側では目が緩くないのでただの表目という指示になっているのだと思います。かかと編みの全然別の手法でですが、目が緩くなりがちな部分でねじり目をして穴が開かないように編んでいるのを見たことがありました。おそらく、このことと同じ理由なのかもしれません。編んでみて実感したのですが、右側、つまり裏側でW&Tした箇所では、目が全然緩くなかったのですよね。だから、緩まないようにねじり目を編む必要がないのかな、と思っています。

 こうやってところどころに目の緩みを感じさせないように工夫するのは、個人個人の判断でやっていることの方が多いように思うのですが、最初からパターンにその工夫が書かれているとは、親切だなあ。それだけ、表側で目を包むW&Tは、目が緩みやすいということなんでしょうかね。
 
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4件のコメント

  • Yukaさん、こんにちは

    質問への回答、ありがとうございます。
    他のコメントでも書きましたが、
    「ただ手前から巻くか、後ろから巻くか、それだけなのに、
    これが気になるって……ただただ苦笑いです^^;」

    ご紹介くださった記事を読んだり、わたしも、試し編みをしました。

    一般的な手前からのラップですと、段消しの時、表に出る目の後側で、ラップの糸は、自然に捻れる様になっているのですね。
    でも、後ろからのラップだと、捻れずに、一緒に編まれるだけでした。
    「こう言うのが、緩みになる(感じる)のね〜」と、いまさら納得。
    いまさらなのです。スミマセン。
    でも、感激したことをシェア。

    編みものの技法って、理由があるのですね。
    ラップするのも、段差を解消して、自然なラインにするため準備ですものね。
    編み手の癖や、手の加減で、緩んだり、きつくなったりするのだから、
    綺麗に見える様に編む手法も、あれこれあって不思議はないかも…(*´ー`*)

    学びました。
    そして、学びにお付き合いくださって、ありがとうございました。

    • えいこさん、コメントありがとうございます。
      お役に立てたようで何よりです。
      言われてみれば、編み物のちょっと高度な技法(たとえば、今回のようなねじり目や、それをやらなくてもモノは完成するといった方法)は、完成したものを不自然なくキレイに見せるためのものが多いですよね。それを学び覚えるのもまた楽しかったりして、編み物のこういうところが好きだな、といつも思います。

      • そうですよね。初めて出会う方法や技法は、実際に、やってみないとわかりませんし、やってみて学べますよね。
        この3Leavesは、W&Tの他にも、不思議に感じるところが、ありました。
        ガセットのねじり増し目は、ねじる方向の指示が、よくある方向と逆でした。(模様編みのねじり目とのテイストを揃えるため?なんて想像)
        段消しも、一度に済ませる方法で、そのために、計2段分を甲側もぐるりと編むのですよね。こちらは、試してみたくてうずうずします。
        わたしも、そんな楽しみ方、好きです。
        いろんな発見をブログでご紹介くださいね♪♪

        • 自分ではあまり気にしなかった点を、えいこさんのように、ほかの方から教えてもらえるのも、編み物の楽しみでもあります。いまはネットを介してこうやってやりとりしたり、英語やそれ以外の言語でのパターンや技法を知ることができるので、編み物的に良い時代になりましたよね! まだいつになるか分かりませんが、ドイツでのくつ下の編み方が英語のそれとはまたちょっと違っているので、いずれそれで編んでみてブログで紹介できたら、と思っています。

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