とじ針について ~普通のとじ針とループ付きとじ針の比較

 ドイツで購入したLana Grossaのとじ針(KnitProの商品をLana Grossaの名前で販売しているものなので、いわゆるOEMってヤツなのかな?←言葉の使い方、あってるでしょうか……)は、アルミ製の短い編み針の後ろに、柔らかめのケーブルでできた輪っかが付いていて、この輪っかに糸を通して使います。見た目が普通のとじ針と違うため、いざ使おうとするまで時間がかかりましたが、使ってみたら、あまりにも使い勝手が良くて驚きました。メリヤスはぎやゴム編み止めをするときに、編み針で編むような感覚で縫っていけるのがすごく魅力的で、初めて使ったときから、DK糸より太い糸ならこのループ付きとじ針を使うようになりました。いま編んでいるLyon Sweaterの袖口と裾もこれでゴム編み止めをしています。ちなみに、4 ply糸の場合は、普通のとじ針を使うことの方が多いです。
 今回は、普通のとじ針と、このループ付きとじ針について、書いてみようと思います(「普通のとじ針」という言い方は便宜的に使っています)。
 
 渡独するにあたって、日本から持ってきた編み物のセット(かぎ針セットと棒針セット)は母に譲ってもらいました。これはどちらも、私が子どものころから編み物をするたびに使わせてもらっていたものです。いまはもう棒針セットは使っていませんが、かぎ針セットはケースがダメになってしまったものの、輪針セットを入れているケースに入れ替えて、いまだに使っています。このセットには、ゲージを測る定規とハサミ、そしてとじ針が一緒に付いていました。定規とハサミはほとんど使わなかったけど、とじ針だけはこのセットについていたものをずーっと愛用しています。譲り受けたときにはすでにちょっと曲がっていましたが、この曲がっていて、針の一部が変色しているところが好きなので、今後もこれをずっと使っていこうと思っています。
 じつは、編み物の先生をしていた叔母から、ケースごと大量のとじ針を譲り受けましたが(下の写真)、一本だけ今使っているとじ針の予備に取ってありますが、それ以外を使うことはほとんどありません(かといって捨てることもできないので、どうしよう。針って簡単に捨てられないんですよね、気持ち的にも……)。

叔母からもらったとじ針の全部。一人で持つ量じゃない(笑)

 
 この刺繍針のようなとじ針は、それこそ子どものころから使っていて何の違和感もなく使い続けていましたが、Lana Grossaのループ付きとじ針を初めてドイツで見たときは、縫い針というよりは編み針であるその形にとても驚きました。好奇心で購入して持っていましたが、しばらく使うことはなく、引き続き母のとじ針を使っていました。
 あるとき、Aran糸でセーターだかカーディガンを編んだ最後に裾でゴム編み止めをすることになったのですが、糸の太さに対してとじ針が細すぎるためか、うまく針先で目をとらえられなかったりするなど、思ったようにゴム編み止めができずにいました。そのため、いつもAran糸でとじ針を使うのが億劫になり、とじ針と糸の太さが違和感のない4 ply糸ばかりを使うように。糸の細さが気に入っていたのは間違いないのですが、4 plyばかりでセーターやカーディガンを編んでいたのにはこんな理由もあったのです。
 そして昨年、Aran糸を使うPetiteKnitのZipper Sweaterに挑戦しようかと考えていたとき、以前の経験から普通のとじ針でゴム編み止め(このときはItalian bind-offを使いましたが)をするのにどうしようかと思案していました。縫いにくさはあったものの、これまで使ってきてたわけだし、別に問題ないかと思ったそのとき、買ってあったループ付きとじ針の存在を思い出し、初めて使ってみることにしました。結果、使いやすさに大感激。とじ針に編み針を使うことを考えた人は天才だと思いました。

 購入したループ付きとじ針は、三種類のサイズが入っています。糸の太さによって針の太さを選ぶことができるため、とくにDKやAranといった太い糸(使ったことがないので分かりませんが、Aranよりも太いChunckyでも)を扱うときにはとても便利です。これらのとじ針は、編み針と同じような感覚で確実に目をとらえることができるので、メリヤスはぎやゴム編み止めで力を発揮してくれます。また、見て分かるとおり、ループが大きいので毛糸を通すのがとてもたやすいのもポイントです。ただし、逆に糸が抜けやすくもあるため、使うときはループ部分を手の平で包[くる]むようにして持ち、糸が抜けないようにするなどコツがちょっと必要です。

愛用中のとじ針。上から、母に譲られたかぎ針セットにあった普通のとじ針。下の三本はLana Grossaのループ付きとじ針。それぞれサイズが違っていて、糸の太さによって針を選べるのが◎

 
 これまでは、何となくこの糸の太さにはこの針かな、と感覚で選んでいましたが、今後のためにそれぞれの長さと太さを測ってみたので、せっかくですし表にして残しておきます。
 

ループを含まない
針の長さ
ループを含む
針の長さ
太さ
普通のとじ針     2,00 mm以下
ループ付きとじ針・オレンジ 6,1 mm 7,4 mm 2,25 mm
ループ付きとじ針・グリーン 7,0 mm 8,4 mm 2,75 mm
ループ付きとじ針・パープル 8,5 mm 10,8 mm 3,25 mm

Lyon Sweaterで使っているDK糸は、グリーンのループ付きとじ針がちょうど良いサイズでした

 
  ただ、最初にもちょっと書きましたが、4 plyで編んだものを止めるときは、普通のとじ針を使うことが多いです。糸の細さに対して針の細さがちょうど良いからだと思います。また、袖つけなど縫い合わせるときなど、目に糸を通さなくてもいい場合は、普通のとじ針の方が使い勝手が良いことの方が多いと感じます。すくいとじはループ付きの方が便利でしたが、ただ縫い合わせる場合は、むしろ目をとらえなくても縫っていけるため、普通のとじ針の方がいい気がしています。

 だいたいこんな感じで使い分けをしていますが、どっちの針もそれぞれに使いやすくて好きです。ループ付きとじ針を使ったことで、これまで太めの糸で億劫だったとじる作業がすごく楽しくなりました。
 
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