ご飯を炊くお鍋


 ヨーロッパで暮らすようになって、白米を食べるときはいつもお鍋で炊いています。そのため我が家には炊飯器ががありません。

 普段ご飯を炊くのに使っていたのは、ドイツの調理器具メーカーFisslerの両手鍋。厚手でテフロン加工がされていたため、使い勝手がとても良く、美味しくご飯が炊けたため重宝していました。しかし、年月を経るにしたがってちょっとずつ劣化していきました。そしてここ最近になって、どういうわけかこのお鍋の縁がとても鋭利になり、そこでよく手を切るようになってしまいました。すると、扱いが慎重にならざるを得ません。でもそうしていても、気づいたら毎日手のどこかしらが切れていたので、さすがにこれは買い換えよう!と決心。同じお鍋が買えないか調べてみたら、同じデザインのものはすでに廃盤になっていたみたい。似たようなデザインのものはありましたが、それはそれで高くて手が出ない……。別のメーカーのお鍋を買おうかどうしようか迷いに迷っていたときに、はたと持っているけど使っていなかったお鍋があることを思い出し、いまの部屋には備え付けの鍋があるからとしまい込んでいたお鍋を引っ張り出してみました。すっかり忘れていましたが、そのお鍋もFisslerでした(調べてみたら、1970年代に販売されていたモデルらしい)。


 
 このお鍋は以前マインツに住んでいたときに、ライン川沿いで開かれていたFlohmarkt フリーマーケットで見た目のレトロさが気に入って買ったものです。そのときの値段はいくらだったか忘れてしまいましたが、€10くらいだったように思います(それ以上高いものは基本的に購入対象にならないから)。ただ残念なことに、インダクションに対応していなかったので、イギリスで住んでいた部屋では使うことができず、買って以来一度も使うことができないまましまっていたものでした。それがこうやって、日の目を見ることができてうれしい! しかもこのお鍋、蓋が縁よりも低い位置におさまる文化鍋風の作りになっているため、ご飯を炊くのにちょうど良いことに今回初めて気づきました。ブラヴォー!

 このお鍋を使い出してまだ間もないので、クセを知るのに試行錯誤中ですが、だんだん慣れてきて美味しく炊けるようになってきたと思います。は〜、持ってて良かった! 大事に使っていこう。
 

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 ちなみに、手が切れてしまうほど鋭利な縁になってしまったお鍋は、捨てようと思ったほかの調理器具(フライパン、カラフェ、保温ポット)と一緒に段ボールに入れてアパートの前に置いておいたら、誰かが持っていってくれました。

 これはドイツの習慣で、自分はもう使わないけど誰かがまだ使ってくれるかもしれないと、zu verschenken(差し上げます、とかそんな意味)と書いて外に置いておくのです。そうしておくと誰かが持っていってくれるので、どこかで再利用されるし、ゴミにもならずにすむし、良いことばかりなんですよね。これまで我が家で出してきたものは、どれもまだまだ使えるものばかりでしたが、今回初めて、使い過ぎてボロボロもしくは壊れているものを出したので、さすがに誰も引き取らないだろうと思っていました。写真に撮ってないので証明できませんが、とくにお鍋とフライパンは酷い有様で、私だったら絶対見向きもしない状態でしたからね。
 夕方にアパートの前に置いておいたら、食事に出かけるときには保温ポットがなくなっていました。捨てるなかでは一番状態が良いものだったので、真っ先になくなるだろうと思っていたので、これは予想通り。その後家に帰ってきたときにはお鍋がなくなっており、翌朝にはすべてがなくなっていてスッキリ(残ってたカラフェとフライパンは、ちょうどその日の朝にあったゴミ回収で持って行かれた可能性もありますが)。こちらとしてはすべてがなくなって万々歳でしたが、逆に『あんなにボロボロの酷い状態で、もう使えそうにもないものを持っていくって……』とちょっと心配にもなったりしたのでした。
 
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