もう無事にドイツの健康保険Techniker Krankenkasse、略してTK（テーカーと呼んでいます）に入ることができていますが、入るのにえらく時間がかかりました。
　加入するのに時間がかかったのは、おそらくこの三つが原因でしょう。

1. イギリスへ引越しが決まり、ドイツを離れるさい、TKの退会手続きをすっかり忘れていたこと
2. 1.が原因なのか、送られてくるはずの書類がゲッティンゲンではなく、ドイツで最後に住んでいた住所へ送られてしまっていたこと
3. オンライン手続きが完全に整備されているのかと思いきや、完全オンラインではすまなかったこと

　本来であれば、ひと月もあれば終わる手続きです。1.は完全に自分たちの失態。2.はゲッティンゲンの住所で申し込んだにも関わらず旧住所へ送られているので、1.が要因だとは思うものの、TK側も確認してほしかったです。3.については、オンラインでの申請後はやり取りが基本的に手紙（メールで問い合わせた返事はさすがにメールでしたが）で、書類に不備があってもその指摘が手紙で届くという、なんのためのオンライン申請なのかよく分からない状況でした。

　こんな感じだったので、普通だったら起こり得ないことが起こり、加入の手続きに2か月もかかった、かなり特殊な例となりました。一応記録しておきます。
　

ドイツに住むなら、必ず健康保険に加入しなければならない

　まず大前提として、ドイツに住み続けるのであれば、必ずドイツの健康保険に入らなければなりません。公的・私的に大きく分けられますが、TKは公的な健康保険。最初にドイツに住んだときに、夫が勤めていた研究所がほぼ自動的にTKへの加入手続きを進めてくれたため、どこにするか選ぶことなく最初からTKに加入していました。おかげで、渡独後ひと月も経っていないころに急性虫垂炎を発症してしまい、病院で緊急手術・術後6日間の入院をしたことがあったのですが、すでに研究所側が保険入会手続きを進めていてくれたおかげで、まだ保険の入会を証明するカードを手にしていませんでしたが、病院がTKに問い合わせをしたら私の加入が証明されたため、保険が利くことに。退院時に払った入院費は€60だけで済みました。この金額には手術代などは含まれておらず、6日間の食事などの費用でした。抜糸のさいにもお金は払っていません。骨折をしてしまったときも病院にかかりましたが、このとき支払ったのは松葉杖代（たしか€7くらい）だけでした。

　こういった経緯もあったため、再びドイツへ引越すことが決まったときから、保険に加入するならTKと決めていました。

夫が先に再加入手続きを進めるも、なぜかうまく行かない理由

　夫が手続きを始めたころは、TKの事務所はCovid-19のせいで直接事務所へ行くことができない、もしくは予約を入れる必要があったのですが、加入手続きがオンラインでできるようになっていたためさっそく取り掛かったものの、TKからの連絡はありませんでした。もしかして手続きが上手くいかなかったのかも、と思った夫は、もう一度オンラインで手続きをすることに。すると、今度は『TKを選んでくれてありがとう。近々書類を送るから』というTKからの手紙が届きました。しかし、またもTKからは音沙汰なし。すぐに問い合わせをすると、書類はすでに送ったとの返事。しばらく待ってみたのですが書類が届くことはなく、再度問い合わせると、全然違う住所にその書類が送られていたことが分かりました。私たちがドイツで最後に住んでいた住所に書類が送られていたのです。
　ここで初めて、私たちがドイツを離れるさいに、TKの退会手続きをすっかり忘れていたことに気づきました。なかなか手続きが上手く進まなかったのは、おそらくこれが原因だと考えています。

ロックダウンの緩和で、いつでも事務所へ行けるように

　オンラインで手続きをしたにも関わらず、やり取りは基本的に手紙でした。これではオンラインの意味があまりないことを感じ始めたころ、ロックダウンが大幅に緩和され、TKの事務所へ直接足を運べるようになりました。もちろん予約の必要もありません。これは好機とばかりに、すぐに家の近くにある事務所へ直接行くことにしました。事務所へ行けば、そこでTK職員が加入手続きをしてくれるからです。ついでに私の保険加入手続きも一緒にすることにしました。私は夫の家族として保険加入をすることになるので、まずは夫の手続きが必要で、このときまでまだ私の加入手続きはしていなかったからです。
　初めて事務所へ行ったときに、必要な書類をすべて渡し、無事手続きが終了したかと思いきや、持参した書類だけでは不備があるので必要書類を本社へ送るようにとまた手紙が届きました。もちろん、再度事務所へ行きました。このとき必要だったのは、夫がイギリスで働いていたことと、イギリスの保険に加入していたことを証明する書類でした（あとは二人の顔写真）。本来ならば、イギリスの職場と交わした契約書を提出しなければならないのですが、なぜか我が家にはその契約書がないので、働いていた証明に3年分の給与明細を用意していきました。このとき担当してくれたTK職員に契約書がないことを不思議がられましたが、ないものはない。給与明細で申請できるかを本社へ問い合わせをしてくれた上で、ひとまずはこれで手続きを進めることになりました。

やっと加入できた！　なのに届かない保険のカード

　2回めの事務所訪問のあと、すぐにTKから手紙が届き、夫がTKに登録されたと書かれていました。『数日中にTK eHealth cardを受け取れます』とあったので、届くのを待っていましたが……一週間以上経っても音沙汰がありませんでした。もう何がどうなっているのやら。このとき、夫は第一回目のワクチン接種を終え、第二回目（接種は7月下旬予定）までにホームドクターのところでワクチンパスポートを発行してもらい、それを持参して第二回目を受けるように言われていました。まだホームドクターを決めていなかったため、決めるためにもTKのカードが必要だったのです。また、私にも問題が発生。7月下旬に私のビザなし滞在期限が迫っていました。ビザの発行には保険に加入していることを証明しなければならず、まだビザ申請をしていませんでした。私の保険加入も急ぐ必要がありました。

　再々度事務所へ行き、まず私のビザ発行手続きのために保険に加入できているのならその証明書が欲しいことと、夫のカードが届かないことを話しました。さっそく本社に問い合わせをしてもらったところ、夫は間違いなく加入手続きが済んでいることが分かり、一安心。カードもいずれ届くとのこと。しかし、私の加入手続きには手間取っていたようで、私自身のことをいくつか聞かれ（生誕地と旧姓）、その場で加入手続きを終えることができました。これって、事務所に行かなかったらまた手紙のやり取りで相当時間がかかったってことか……。いずれにしても、こうして無事、加入証明書を手にすることができ、これでようやく一段落となりました。このとき、手続きを始めてから2か月が経っていました。

無事カードを入手！

　翌日にはTKから手紙が届き（こういうのは本当に早い）、私も保険に加入できたことを報せる内容でした。カードの発行には2週間くらいかかる、とも書かれていました（夫のときにはwithin the next few daysとしか書かれていなかった）。そして先日ようやく夫のTKカードが届き、晴れてTKの会員となることができました。あとは私のカードが届くのを待つだけです（2021年7月23日追記：私のカードも無事届きました）。
　
　以上が、TKに再加入するまでの顛末です。ロックダウンが緩和されていなかったら、事務所へ直接行って手続きすることができなかったと思うので、緩和が始まっていて本当に良かったです。
　しかし、私はビザ発行手続きを急いでしなければならないため、ここからがいろいろとまた大変でした。大した顛末でもないのですが、ビザについては別の記事にしようと思います。