寒くて思い出した、数年前のアメリカ渡航にまつわる話

温暖な気候のマインツ周辺で雪が降ったときの写真(2017年1月)

 
 今週月曜日(2022年12月12日)から一週間は、夜はもちろんのこと、日中でも0℃を超える日ない予報になっています。日本では横浜住まいだったため、マイナスの気温をほとんど経験したことがありませんでした。ヨーロッパに住むようになってからは毎年のように経験するようになりましたが、一日はおろか、一週間も一度も0℃を超えることなくずっとマイナス気温というのは初めてです。ちなみに今朝9時ごろの気温は、中庭の気温計によると-15℃、外の道路は薄っすらと凍っていました。

朝起きて、家事をしていたら、家の中は暖房が効いてるのに、なんか寒いな~と思って中庭の温度計を見たら、-15℃ですって……寒く感じるわけだ

2022年12月13日の午前9時ごろの道路。青空が見えるほどお天気は良かったのですが、いかんせん寒すぎて、道路が薄っすらと凍っていて驚きました

 
 
 さて、ヨーロッパで過ごした冬で、夫がアメリカの学会へ参加するのに起こったいくつかの出来事が印象に残っています。

 その年、夫はアメリカのある学会に出席する予定で準備をしていました。
 職場で同室だった同僚の中国人も、その学会で発表を行うために同様に準備を行っていて、夫はそのことをもちろん知っていました。しかし、ある日その同僚が夫に『学会に行けなくなった……』とすごく気落ちした様子で話しかけてきました。なんで出席できないのか聞いてみたら、『国からビザがおりなかった』との返答に夫はとても驚いたそうです。ちょうどそのころは、アメリカへ入国するのに審査が厳しくなり、ビザがいらない日本人でも事前に入国手続きをしなければならなくなっていましたが、中国のパスポート持ちの人は、さらにビザの取得が必須だったのです。その同僚は、学会が始まる数か月前には行って発表することを決めていて、かなり早い段階で大使館を通じてビザの申請をしていたのだとか。夫はその同僚から『お前はビザが取れたのか?』と質問されたので、日本人はビザなくてもアメリカに行けることを説明すると、とても驚いていたそうです。
 結局、その同僚は共同研究を行ったインド人に学会での発表を託し、学会は欠席となってしまいました。

 夫がその学会へ旅立つ日は、前もって同じく学会へ出席をするボリビア人の同僚(比較的近所に住んでいた)がタクシーで我が家まで来て、夫をピックアップして空港へ行くことになっていました。しかし、前日夜に降った雪が数センチ積もり、道路は普通ではない状態。それでも、スタッドレスタイヤか、もしくはチェーンをタイヤに巻いておけば、車の運転は問題なさそうなくらいでした。ただ、そのとき住んでいたマインツ周辺は、ドイツでもかなり温暖な地域で、雪はおろか雨が降ることも少なく、雪が降るなんてすごく珍しかったのです。そのため準備ができていなかったのでしょう、車がほとんど動けない状態でした。
 約束の時間になっても同僚が来ないので、電話してみたら『時間になってもタクシーが来ない』との返事。まだ時間はあったのでもうしばらく待ったのですが、それでもまだ到着しないので再び電話をしたら『いまタクシーで向かってるけど、車が滑って橋の前の坂道を登れない』。雪が積もってるなか、スタドレスタイヤはおろか、チェーンも巻いてないというのに驚きましたが、それだと空港へ行くのもままならない。幸い、そのとき住んでいた家から徒歩5分ほどのところにはRBとREが停まる駅があり、そこから電車に乗っていけば一本で空港に行くことができました。電車が動いていることは確認済みだったので、夫は『もう間に合わないから電車で行くぞ! 歩いて駅まで来い!』と言って電話を切り、夫はすぐに駅へ向かいました。その後のことはあとで夫に聞いたのですが、夫が先に駅に到着し、同僚の分の切符も買って待っていたら同僚がなんとか到着、電車が来るアナウンスが聞こえて慌ててホームまで走って、なんとか電車に乗れたそうです。その電車は飛行機に乗れるギリギリの時間に空港駅到着だったため、その電車に乗れていなかったら飛行機には間に合っていませんでした。

 夫たちが無事アメリカに到着して、学会に参加してからもいろいろとあったようです。電車で一緒に空港へ向かったそのボリビア人の同僚に連れられて、二人で中国人街へ行ったらしいのですが、そのときに乗った電車の乗客が常軌を逸した人たちばかりだったことや、中華での一皿の多さを理解していなかったボリビア人同僚がたくさんの料理を頼むもんだから止めたら『食べられるだろ』と一蹴されてしまい、夫は食べられなくても知らないからな!と忠告したら来た料理の量の多さに同僚が『お前の言う通りだった』と反省したり、帰りはバスで帰ろうとしたもののどれに乗ればいいのかが分からず、道行く年配の女性に英語で話しかけたら無視されたので同僚がスペイン語(ボリビアではスペイン語が公用語の一つ)で話しかけたら急に親しげになり、行き方を親切に教えてくれて助かったことや、学会が終わって帰ろうとしたら夫がドイツへ戻る日を一日間違えていて、余計な滞在日があって大変だったことなど、このアメリカの学会にかんしては、もりだくさんなことが起こりました。

 まあ、私はそのときドイツで一人、悠々と過ごしていたんですけどね。戻ってきた夫から聞かされた話が、あまりにもてんこ盛り過ぎて、聞いてて大笑いしてしまいました。
 
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