ドイツ国内での引越し(2016) 番外編 ~プロバイダの引越し手続き


 ドイツ国内での引越しにまつわるあれこれは、これで最後となります。

 当時利用していたプロバイダは、ドイツ国内で使える地域が限られていました。引越し先がなかなか見つからなかったのは、プロバイダの利用できるところを探していたためです。やっとアパートへ引越したのもつかの間、プロバイダ手続きに思わぬ問題が発生しました。
 ここでも、英語では先方(プロバイダ)からなかなか連絡がもらえない、という経験をしました。

※情報は2016年当時と少々古く、現在はいろいろと変わっていることもあるかもしれませんので、くれぐれも「参考」程度にご覧ください。


 我が家はUnitymediaというプロバイダを使っていて、引越し先でも使用を継続するつもり満々でした。しかし、このUnitymedia、利用できる範囲が限られていました。住んでいたノルトライン=ヴェストファーレン州はほぼ全域で利用可なのが、引越し先であるマインツがあるラインラント=プファルツ州はほぼ利用不可、しかしライン川を一本挟んだだけのヘッセン州ヴィースバーデンでは利用可の場所がそこそこある、というなんとも不思議な仕様でした。実は、引越し前に新しいアパートを探すのに苦労したのも、Unitymediaが使える場所、というのにこだわったからなのでした。

使っていたプロバイダをそのまま使える場所を探して引越し

 物件探しは、大学の寮に入ってすぐに開始しました。すでにその地にいるので、物件探しは、離れた場所にいたときよりも気が楽でした。いくつかの物件に申し込むのに、以前記事にも書いたようにドイツ語でメッセージを付けて送ったところ、すぐに返事が来ました。最初に返事をくれた大家さんが管理するアパートの内見をし、結果、ラインラント=プファルツ州の州都マインツではなく、ライン川を一本挟んだ反対側のヘッセン州マインツ・カステル Mainz-Kastelへ引越しが決まりました。探し始めて2週間くらいで決まったのは、本当にラッキーでした。
 その大家さんご夫婦はとても良い方で、日本人にとても友好的でした。私たちがドイツ語で書いて送ったメッセージをプリントアウトしたものを大家さんがお持ちになっていて、偶然、夫の職場と肩書にアンダーラインを引いていらっしゃったのが見えてしまったのですが、やっぱり仕事のことと肩書は重要なんだな、と実感しました。
 ちなみに、寮に住んでいる間に倉庫へ入れていた荷物は、車を借りて、2~3日に分けて引越し先に自分たちで運び込みました。運び終えた時点で、貸し倉庫とは契約解除となりました(このときは面と向かって手続きしたからか、改めて書面を出す必要はありませんでした)。

 さて、そんなこんなで、私たちはユーリッヒ(住んでいた場所)→ マインツ(大学の寮がある場所)→ ヴィースバーデン(住むことになったアパートがある場所)と引越しをしましたが、先述のとおり、Unitymediaを利用するつもりだったので、Unitymediaサイト内でまずは引越の手続きをしました。
 これがのちのちのゴタゴタを引き起こす原因になったのです。

知らない間に解約手続きが始まっていた

 マインツで一時的に住んでいた場所は、残念ながらこのプロバイダは使用不可な場所だったので、バカ正直に引越し手続き(ネットでできる)したんですね。そうしたら、コールセンターへ電話をしろというメッセージが表示されたのです。でも、本当の引越し先であるヴィースバーデンでは使用可だったので、じゃあヴィースバーデンへ引越ししたら電話をかけようと、ひと月くらい放ってしまいました。

 ようやくアパートが見つかり、マインツからヴィースバーデンへ引越しをしたので、コールセンターへ電話をかけてみたら……なんと解約手続きが始まっている、とびっくりするようなことを言われ呆然としてしまいました。というのも、引越し手続きをしたマインツの住所はUnitymedia使用不可区域だったため、それが解約手続きにつながったという、先方からの説明でした。『まだお使いになりますか?』と聞かれ『もちろん! 使います!』と答えたのは言うまでもありません。解約手続きをキャンセルし、継続利用の手続きをしますと言ってもらえました。コールセンターの人は、「新しいHDボックスを送るので、古いものは着払いで送ってください、その送り状があるサイトのURLをのちほどメールで送ります」と言っていたので、ひとまず電話を終えました。
 解約の話もビックリでしたが、送ると言われたメールは届きませんでした。いやはや。ドイツあるある。結局、夫が自力でそのサイトを見つけ、古いボックスを着払いですぐに送り、その一週間後くらいに新しいボックスが届いたのには安堵しました。

先方からの折り返し電話がこない

 さっそく一緒に入っていた説明書の通りに接続してみたものの、いっこうにインスタレーション Installationが始まりませんでした。画面に出るエラーコードも『ちゃんとジャックにつながっていますか?』という、かなり初歩的な確認内容で、きちんとつながっていることは確認済み。ということは、何か別の問題があるのだろうと、説明書にかかれていたInstallationhotlineに電話をしました。
 ちなみに、私はほんの少ししかドイツ語を話せないし、夫は英語しか話せません。
 
【電話をかけるとまず自動音声が流れ『~なら1を、~なら2を押してください』と言う。かろうじて内容が分かったので、先方と直接話ができるところまでは行けた。先方が電話に出たら、まず夫が『僕はドイツ語はしゃべれない、あなたは英語を話せるか?』と聞くと、答えは『いいえ』。『あとで英語を話す同僚から電話させる』と言うので、了承して電話を切る。いっこうにかかってこないので、また電話をかける。→最初に戻る】

 この【 】内のことを少なくとも3~4回はくり返しました。
 こりゃダメだと思い、私がドイツ語で話してみたら、ひとまず話しは通じました。やっぱりドイツ語ができないと先へ進まないのは、ここでも一緒でした。

やっと手続きが進み、無事回線が開通

 顧客番号 Kundennummerを聞かれたので答えると、「それは古い番号です」と言われパニック。意味が分からず、言われるがままに数字を書き取ったら、これが新しい番号とのこと。
 先方からはなんの説明もありませんでしたが、おそらく、ユーリッヒでの契約が、引越し手続きをネットで行ったために解約手続きに入ってしまった、だけど私たちは利用継続を希望しているので、新しく契約し直しとなり、新しい顧客番号が与えられた、というところでしょう。でも、上記の【 】をくり返していたなかで、何度か顧客番号を聞かれたときは、旧番号を伝えてたんですよね。でも何も言われませんでした。突然新しい番号があるなんて初耳でした。

 それはひとまず良いとして、こちらの状況を説明すると、「技術者 Technikerを派遣します」という一言をやっと引き出すことができました。しかし、「明日か明後日に技術部門から連絡を入れるので、その電話で日程を決めてください」と言うではありませんか。また電話を待たなきゃならないのかと思ったら心底ウンザリ。これでもしまた折り返しがなかったらまた最初からやり直しかと思ったら、これまでのいろいろを思い出して怒り爆発。「あなたの同僚たちはいつもいつも『折り返し電話する』と言ってたけど、いままで一度もかかってこなかった! 何度も何度も電話したのに! 本当に電話してくれるんですか!?」と怒鳴ってしまいました(スラスラじゃないけど、怒りのエネルギーで言えた)。そのとき電話口に出てくれた人が悪いわけではないとは思いつつ、どうしても言わずにはいられませんでした。「申し訳ない、ちゃんと電話させるから」と言ってくれたので、こちらも了解し、電話を切りましたが、まったく信用していませんでした。

 でもこのときは違いました。翌日の朝、本当に電話がかかってきたのです……! それだけで大喜び。しかも、夫が「英語話せる?」と先方へ聞いたら「大丈夫です」と答えてくれた女性。この人は本当にいい人だった。実はあんまり英語が得意じゃなかったようでしたが、頑張って英語対応してくれました(最後は結局ドイツ語になっちゃってたけど 笑)。技術者が来る日にちと時間を決め、やっとネットが使えるようになる!と前向きになることができました。

 約束の日、ほぼ時間どおりに技術者が来てくれて、ネットを使えるようにしてくれて、テレビも見られるようにしてくれました。
 引越ししてから実に3週間もかかりました。

 引越すことが決まってからここまで、いろんなことがあって、やっと、すべてが揃った生活を始めることが出来たのでした。本当に長かった。


 8回に渡って、ドイツ国内での引越しについて書いてきましたが、今回で終了となります。
 振り返ってみると、懐かしいという気持ちもありますが、どちらかというと辛かったことばかりを思い出します。でも、こうやって書いて残しておくのは、考えが整理されてよかったと思いました。
 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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