6種類のSSK(右上2目一度)を試してみました


 SSK(Slip slip knit、右上2目一度)問題についていろいろと考えている今日このごろですが、ちょっとした泥沼感が漂ってきました。というのも、いくつかのSSKを試したサンプルを編んでみたのですが……結果を先に言うと、一番きれいな目になったのはSSKだったという……。全部で6種類のSSKを試してみましたが、編み上がったのを見比べてみて驚きました。サンプルで編んだSSKが、靴下のつま先やガセットにあったようなSSKの見た目にならないのは、一体なぜなんでしょうか。
 SSKの見た目についてここで検証するのは、ひとまず置いておいて、SSKにはいくつかのやり方がある、という話にすり替えようと思います(姑息)。ウソです。恥を忍んで見た目の話もします。

 
 SSKには先人たちがいろいろとやり方をネットにアップしてくれており、基本となるSSK以外に、5種類のSSKを試してみました。その方法は下記の通りです。
 実際には輪編みで使うことが多いことを想定して、平編みにはしていません。Save the Childrenのスワッチを編んだときと同じ方法で、裏で糸を渡して表面のまま同じ方向で編んでいます。

SSK
 この問題の起点となったSSKです。表目を編むように目を2目滑らせて、後ろの輪に針を通して2目一度に編みます。一般的によく使われている方法だと思います。

SKPO
 Slip 1, Knit 1, pass overの意味ですが、結果はSSKと同じ。SSKはすべり目をした2目を一度に編みますが、SKPOは、1目をすべり目にして次の目を表編みし、滑らせた目を表編みした目にかぶせる方法です。SSKについて検索していたときに、SKPOについてのいくつかのコメントを見ましたが、どれも『古いやり方』と言っていたのが印象的で、私が持っている本(1991年刊行)には、右上2目一度はこのやり方が載っていました。

K2tog tbl
 Knit 2 together through back loopの意味で、この方法は、以前編んだセーターSave the Childrenのラグランで出てきた方法です。K2tog(Knit 2 together、左上2目一度)は左針のから2つめの目から1つめの目に針を通すように右針を通しますが、K2tog tblは左針の2目同時に後ろの輪に針を通して編みます。そのため、2目ともがねじり目になります。

 上記3つの方法で編んだサンプルはこちら。

 ……ね。写真1枚めのSSKが一番きれいに見えませんか。なぜだ。
 SKPOはすべり目をしたさいに目が広がる傾向にあるため、見た目がSSKよりあまり美しくありませんでした。
 K2tog tblは、今回試した6つのなかでは一番目がよろけています。実際に編んだSave the ChildrenのK2tog tblを確認したら、こんな感じでした。

 なぜこれでよしと思えたのか、私……。
 以上の結果から、K2tog tblは、よほどのことがなければ自らは選ばないだろうと思います。

 では次のサンプルです。

 
S(kw)S(pw)K
 Slip (Knitwise), Slip (purlwise), Knitの意味です。最初の目を表目を編むように針を入れてすべり目、次の目は裏目を編むように針を入れてすべり目、この2目を一度に編む方法です。そのため、上になっている目は表目になっていますが、下になっている目がねじり目になります。この編み方は、私が問題にしている力の方向云々というより、どちらかといえば、SSKをしたさいに目が緩くなる、という問題を解決するやり方です。
 
K2tog-L
 この方法の視点は、S(kw)S(pw)Kと同じく、SSKをしたときに目が緩くなる問題に向いています。Knit 2 together left-leaningという意味で、K2togをすると右側へ傾きますが、それを左側へ傾むかせるように編むやり方なのだと思います。たぶん。下記のページでやり方が紹介されています。工程は複雑ですが、目はS(kw)S(pw)Kと同じく、上の目が表目、下の目がねじり目になります。が、糸を少し強めに引っ張るため、SSKをしたときのような上の目のたるみがなくなります。今回初めてやってみたので、加減が難しく、判定しづらいサンプルです。

K2tog-L (by Yarnsub)

SSK and K tbl
 個人的には、これならば減らし目の線がガタガタせずにきれいにでるのでは、と編む前に思っていた方法です。基本のSSKをした次の段で、SSKで出来た目をKnit through back loop、つまりねじり目にするだけ。

 この3つを編んだサンプルはこちら。

 S(kw)S(pw)Kが意外ときれいな線が出ています。下の目をねじることによって、上の目のたるみがなくなる仕組みのようです。そうか、SSKの目がよろけるのは、上の目のたるみが原因というのもありますね。
 K2tog-Lは、糸を引っ張る加減がよく分からなかったこともあって、目がガタついていますが、これはもしかしたら改善の余地はあるかもしれません。ただ、下記動画ではS(kw)S(pw)Kで編んで糸の伸張を気をつけるやり方を最後に紹介しており、それでやればいいのでは?と思っています(下記動画をクリックすると、該当の方法から始まります)。
 一番期待したSSKとねじり目の方法は、この6つの方法のなかでは次点という感じですね。目をねじるのが個人的にはイヤだったのですが、思ったより見た目には影響がないことがわかったのは収穫でした。SSKの次の段でねじり目を使うのは、SSK以外の右上2目一度と組み合わせるとうまくできそうです。

 
 SSKはこれら6つ以外にも、いくつかやり方が見つかりましたが、私が思う問題とは視点が違うものも多かったため、今回はこの6つに絞った次第です。

 それにしても、自分のサンプルの酷さを露呈してしまいました。サンプルにならないじゃないか。もっと精進しなければ。
 SSKの見た目については、なにかを編んでいるときに、上記の方法を実際に試した方がよさそうです。直近では靴下のガセットですね。

 
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