2.5mm針じゃゲージ24目32段は出せないって


 2.5 mm針で大モノを編みたいと思い、必要な道具を揃え、さっそく取り掛かったのですが……野望が打ち砕かれました。パターンに目を通して躊躇してしまいましたが、気を取り直してスワッチを編んでみてゲージがまったく出ず、もうこれは無理だと断念することにしました。
 編もうと思ったのは、ドイツの毛糸メーカーSchachenmayrが公開しているカーディガンのパターン、Cardigan in Lace Patternsでした。

 まず編み始める前に、パターンに目を通しました。すると、ゲージがなんだか変。パターンには、使用針は2.0 mm針と2.5 mm針、ゲージ(縦横10 cm)は2.5 mm針で模様を編んで24目32段とあります。いつも靴下をこの針で編んでいる感覚からすると、段数はともかく、10 cmで24目って本当に?と疑ったのです。これが最初のつまづきでした。

 気を取り直してパーツのパターンに目を通しました。すると、後ろ身ごろ、右前身ごろ、袖それぞれを平編みで作り、最後にこれらを縫いとじるとありました。……なぜ左前身ごろについての言及がないのでしょうか。ページが印刷されてない、といったミスでもあったか?と思いましたが、メーカーのサイトにアップされているパターンを見ても、私の手元にあるのとまったく同じ。やっぱり左前身ごろについてはどこにも書かれていませんでした。前身ごろは左右対称になるはずなので、右前身ごろだけでは情報が足りなすぎでは……?と思ったのが第二のつまづき。

 このパターンは、名前のとおりいくつかの模様編みが入ったカーディガンなのですが、一模様に必要な段数がそれぞれに違い、これを同時に編んでいかなければならないため、混乱必至。仕方がないので、図版で示されている模様一つ一つを文字で書き起こしてメモリーシートに記入し、同時に編んでいけるように整えました(上の写真のiPadに表示しているのがそれ)。まずは後ろ身ごろだけを書き出したのですが、結構編むのに気力がいりそうだと思ったのが第三のつまずき。

 後ろ身ごろと左右の前身ごろをつなげて編む方法を思いついたので、それを実践しようと右前身ごろに目を通してみると、模様のパターンが何かおかしい。読んでいたときには気づかなかったのですが、モデルさんが着ている写真を見て分かりました。書かれているパターンと、モデルさんが着用しているカーディガンの前身ごろの模様が全然違うのです。誤植か? これが第四のつまづき。まあ、でも、着用カーディガンの前身ごろの模様は後ろ身ごろと同じだったので、自分でアレンジすればいいか、と気を取り直し、模様を文字で起こしました。

 これだけのつまづきがあったにもかかわらず、それでも編もうと思っていました。どれも何とかなるだろうと思っていたのです。ただただ2.5 mm針で編みたいがための執念めいたものでした。

 そして、最後のつまづきにしてこの野望を打ち砕いたのは、編んでみたスワッチでした。
 いつもは適当なスワッチを編んで大雑把にゲージを把握していましたが、今回はちゃんと編んでみることにしたのです。そして編めたスワッチが下の写真です。

 針にかかっている目は全部で40目。左右5目をガーター編みにし、真ん中の30目で実際に使われる模様編みをしてみました。30目で9 cm。よく2.5 mm針で靴下を編んでいますが、だいたいが目の総数は60目、一本の針にかける目の数が30目なんですよね。10 cmもあるような感覚はありませんでしたが、実際に30目を測ってみるとやっぱり10 cmもない。ブロッキングしてないにしても、10 cmで24目って絶対無理。これも誤植を疑いましたが、使用針はパターン全体で2.0 mm針、2.5 mm針で統一されているし、パーツごとのサイズ表を見るとゲージも誤植ではないと判断ができてしまいました。すごいな、一体、誰がこんなゲージ出せるんだ。

 これまで何とかこれを編もうという執心だけでここまできましたが、2.5 mm針ではやっぱりゲージが出ないことが分かり、野望は粉々。いくつものつまづきもあって、針のサイズを変えて挑戦しようという気もまったく起きず、もうダメだと思いました。

 ということで、2.5 mm針で大モノを編むという野望は、ここで潰えてしまいました。そうなると、2.5 mm針に執着していた気持ちが弾け飛び、「もう何でもいいや……」とやけっぱち。
 はあ、本当にガッカリ。しかし、出来ないものは仕方がない。気持ちを切り替えて、ほかのパターンを編むことにします。
 
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