お手軽バーベキュー


 ドイツに住んでいたとき、『ドイツの夏は過去形』と形容した方がいらっしゃいました。ドイツでは夏が短く、あるとき突然暑くなり、数日もすれば寒くなるため、夏らしいイベント、例えばバーベキュー、をするなら即実行しないと、翌日には寒くなってしまう。夏を満喫するには即実行、それができないなら夏は昨日だったと過去形になる、そういう意味なのです。
 この言葉に深く頷いたのは言うまでもありません。そうなんです、ドイツは夏があっという間に過ぎ去っていくので、暑いと感じた日にえいやっと実行する、「明日でいいか」と思っていると翌日は寒い、そんなことが普通だからなのです。

 これはドイツだけのことだと思っていたら、イギリスでもまったく同じでした。そのため、先の言葉『ドイツの夏は過去形』のドイツをイギリスに変えて、『イギリスの夏は過去形』とも言えます。
 今年2020年の夏は、夏至近辺に最高気温が25〜26℃で少し暑かっただけで、30℃を越えたことはありませんでした。でもその暑さは、2週間もなかったと思います。それから7月16日までは、最高気温が20℃前後で涼しい日が続いていましたが、17、18日はまた少しだけ気温が上がると天気予報で見て、きっとこれが最後の暑さになるだろうと思い、昨日18日にバーベキューを決行しました。

 ドイツでは、バーベキューをするならそれなりの道具が必要で、夏になる前にはいろんなお店でバーベキュー用コンロや炭などが販売され始めます。しかし、これが結構嵩張るため、買うのに躊躇していました。
 ですが、イギリスでは、簡易バーベキューコンロが販売されているのです。これは、アルミでできた入れ物に、炭と網がすでにセットになったもので、使い終えたらそのまま捨てられます(もちろん、完全に火を消したあとに)。サイズは大小あり、だいたい£2,5~5くらいで買えます(写真はSainsbury’sの商品)。こんな便利なものがあるだなんて、そして、こんなに気軽にバーベキューができるなんて、素晴らしい!

 我が家の近く(徒歩3分くらい)に人工的に作られた大きな池があり、そのそばにはバーベキューができる場所がつくられていて、そこでやることにしました。スーパーで牛肉のサーロインとフィレ、ズッキーニ、ナス、トマトを購入し、これらを家で下ごしらえをして持って行きました。あとはもちろんビール。

 この簡易バーベキューコンロは、底が大変熱くなるため、石や砂などの上に置く必要があります(テーブルの上や芝の上では使えません)。幸いテーブルの周りが砂場になっていたので、そこに置くことに。パッケージを開けてみると、簡単に着火できる紙が炭とともに入っているので、隙間から紙に火をつければそれで炭に火が行き渡ります。最初はぼうぼうに火が燃えていましたが、やがて熾き火になり、そして簡易コンロの出来上がり。

 お肉や野菜を焼き上がるのを待っている間に、ビールを開けて乾杯。少し多めの雲に映る沈みゆく太陽の赤い光があたって空が美しく、外で食べるという非日常な状況と相まって、焼き上がったものがあまりにも美味しくて、箸を止めるのが難しかったです。日没のあと(21時ごろ)も30分くらいはいたでしょうか。本当に美味しくて楽しいひとときでした。

 簡易バーベキューコンロの炭火は、なんの技術を持たなくても、簡単に炭火を作れるので、実に手軽。ありがたい。もう1セット買ってあるので、近々またバーベキューができるといいな。

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