ビスマルクが学生時代に住んだBismarckhäuschen
いま住んでいるゲッティンゲンには、ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲン Georg-August-Universität Göttingen、通称ゲッティンゲン大学があります。ゲッティンゲン大学はノーベル賞受賞者を45人も輩出しているだけでなく、著名な学者たち(たとえば、グリム兄弟やマックス・プランク、数学者のガウス)がここで教鞭を執っています。そして、後年著名な学者や政治家になった人たちも数多く輩出しています。
そのなかの一人に、ドイツ帝国最初の宰相オットー・フォン・ビスマルク Otto von Bismarck(1815-1898)がいます。彼は『鉄血宰相』または『鉄の宰相 Eiserne Kanzler』とも呼ばれていて、知っている人も多いハズ。彼はアビトゥーア Abitur(大学入学資格試験、とかそんな意味)を取ったあと、1932年に法律学を学ぶためにゲッティンゲン大学へ入学し、一年くらいをゲッティンゲンで過ごしているのです。そして、彼が住んでいたアパートはいまでもそのまま残っていて、ビスマルクの家 Bismarckhäuschen(リンク先:ゲッティンゲン市ウェブサイト内)と呼ばれています。ゲッティンゲンは中心街を囲うように市壁があり、壁の上は道として整備されていて、散歩コースとしてたくさんの人が歩いています。ビスマルクの家はこの市壁に沿って建っています。
ビスマルクの家の入り口には、ここにビスマルクが住んでいたことを示すプレートが掲げられています。中は現在ビスマルクの生涯について小さな展示がされていますが、学生アパートとしてもいまだに機能しているようです。

なお、ビスマルクの家について書かれたリーフレットのPDFファイルがあったので、参考までに。
Ausführliche Informationen zum Bismarckhäuschen (0,78 MB) – PDFファイル
ヨーロッパ各地には、こういったプレートを掲げている建物がよくあります。たとえば、ゲッティンゲンなら、以前紹介した作曲家のブラームスと大ヴァイオリニストのヨアヒムが訪れた建物にもプレートがありますし、日本で西洋医学を教えていたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの親戚でブラームスの恋人でもあったアガーテ・フォン・ジーボルトの生まれた家にもプレートがあります。イギリスではモーツァルトがロンドンで滞在し作曲をした建物にもプレートが掲げられていました。
◎ブラームスとヨアヒムが訪れた場所
◎アガーテ・フォン・ジーボルトの生家
◎モーツァルトがロンドンで滞在していた場所に掲げられていたプレート
歴史上の人物が、いま自分がいるここの場所を歩き生活していたのかと思うと、とても不思議な気持ちになります。