Branches その4「ヒールフラップの縁“Perlchen (Perlrand)”に注目」 ~52 Weeks of Socksプロジェクト

 くつ下のBranchesはもう片方を編み始め、現在はヒールターンが終わったところです。


 くつ下パターン集、Laine Publishing“52 Weeks of Socks”(リンク先:Ravelry)に掲載されている52作品を全部編むという『52 Weeks of Socksプロジェクト』をのんびりと行っています。このくつ下パターン集については、下記の記事で紹介しています。

Branchesのパターンは↓こちら(リンク先: Ravelry)。


 Branchesを編む前に、ドイツで発売されているくつ下編みの本に書かれているやり方でくつ下Flechtwerkを編みました。

これを編んでいたことで、今回Branchesでは「もしかして同じようなものかしら……?」というものがあったので書いておこうと思います。

 英語圏で一般的によく知られているヒールフラップの編み方は、最初の1目をすべり目にして、表目・すべり目を交互に編むなどして最後は表目で終わり、裏返して最初の1目をすべり目にしたらあとは裏目を編んでいくことで、両脇にある縁にすべり目でできた大きな目を作り、ヒールターンのあとはこの部分を使って拾い目をしていくやり方だと思います。

 ドイツで購入したくつ下編みの本には、ドイツ語圏で一般的に知られているらしいヒールフラップ(ドイツ語ではFersenwand フェァゼンヴァント)の編み方は、表側でも裏側でも最初の1目は表目で編むことで両脇の縁にPerlchen(ペアルヒェン、「小さな玉」とかそんな意味)を作り出し、ヒールターンのあとにPerlchenから目を拾っていくやり方です。Flechtwerkでは、このやり方で編んでいます。なお、私が持っているFlechtwerkのパターンが載っている本はたまたまPerlchenという名称でしたが、別の本では玉が並ぶ縁をPerlrand(ペアルラント、「玉の縁」とかそんな意味)と書かれていました。

FlechtwerkのFersenwandの両縁には、白い矢印で差したようなPerlchenができるので、Perlchenとの間にできている隙間に針を刺して拾い目をします

 
 今回のBranchesでは、ヒールフラップの模様の美しさに気を取られていましたが、ヒールターンのあとに目を拾う段になって、このパターンにもヒールフラップの片側にPerlchenができていることに気づきました。しかも、片方は表目が縦に伸びたすべり目が並んでいるのに対し、もう片側はPerlrandになっています。でも、Flechtwerkでやったような編み方ではなく、パターン通り裏目をすべり目にしていった結果、こうなりました。

Branchesのヒールフラップでは、左右の縁の見た目が違います。片方が表目をすべらせてできる、英語圏のやり方でよく見るような縁ですが、もう片方はFlechtwerkで見たような小さな玉(Perlchen)ができている縁です

 
Branchesでのヒールフラップの片側は、全部で32段編んだので16のPerlchenができていました

 
 ものすごい偶然です。Flechtwerkを編んだあとにBranchesを編んでいたら、Perlchenができててめちゃくちゃびっくりしました。もしこの縁に初めて接したとしても、よく見てみれば、玉と玉の間に針を刺して目を拾えばいいのが分かるのですが、Flechtwerkでこの縁を編んでいなかったら、Branchesではかなり戸惑ったと思います。
 ちなみに、ヒールターンの編み方はどちらも四角になるタイプ、いわゆるダッチヒール Dutch Heelと呼ばれているもので、これも共通している点です。英語圏でよく見かけるのは、三角形または台形のような形になるもので、一般的にはフレンチヒール French Heelと呼ばれています。Perlchenといい、Dutch Heelといい、Branchesのパターンを書いたAmanda Jonesさんはドイツ語圏の方なのかも?(確証はなく、あくまでも想像です)
 
 さて、“52 Weeks of Socks Vol.II”の発売まであと一日となりました。それまでにはBranchesを完成させたいと思っていましたが、どうなるか。今日集中して編めばなんとかなることを祈って。完成を目指して頑張って編みたいと思います。
 
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2件のコメント

  • Yukaさんこんにちは!興味深いですねー。かかと綴じた後、すべり目側とPerlrand側で仕上がりの見た目は違いますか?すべり目の方が伸びがよくて目が広がりそうな気がします?!

    それにしても、毎回最初の目を表目で編んだ時のあのゴロッとした玉に名前があるのが面白いです。今は輪編みが多いですが往復で編む時に玉ができて、こうなって合ってるの??思っていたので(笑)ドイツ語圏ではちゃんと名前があってむしろそれを目印に拾い目に使うと知って安心?しました😂

    • Iggiさん、コメントありがとうございます。
      すべり目側とPerlrand側では、見た目の違いはないように見えます。拾った目の次の段でどちらもねじり目にしているので、Iggiさんが書いてらっしゃるような目の広がりを感じさせないようになっているからかもしれません。

      あはは! たしかに、あれに名前があるのはおもしろいですよね! わたしも最初に見たときは『これに名前があるんだ⁉︎』ってビックリしたのを思い出しました。ところ変われば何とやらってことなんでしょうかね。

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