購入したシリコン製のスティッチホルダーを使ってみてたら便利すぎた


 先日、旅先で購入したシリコン製のスティッチホルダーについての記事です。Lyon Sweaterを編むのに使ったため、その使用感などを書いてみようと思います。結論を先に書いてしまうと、あまりにも便利で、もう余り糸を使っていたころに戻れません。
 前置きが長くなっちゃったので、読み飛ばしたい場合はコチラをクリック
 
 いまトップダウンで編むセーターLyon Sweaterを手掛けています。トップダウンのセーターは、首の周りから編み始めて袖と身ごろを分けて、身ごろを裾まで編み、そして両袖を編んで完成させます。袖と身ごろを分けるとき、袖の目は別糸などに取って休ませておくのが一般的なやり方です。
 これまでは、余ったコットン糸を使って目を休ませていましたが、いくつか問題がありました。まず一つは、縫い針を使って輪針から別糸に移すため、縫い針で目を確実にとらえて移動させる必要があり、慎重にならざるを得ませんでした。ほかにも、休ませていた目から別糸を抜くのに、別糸が通った状態で目を拾っていかなければならず、この作業もあまり好きではありませんでした(輪針にすべての目が通ってから、別糸を抜くのは楽しいんだけど)。いずれにしても、簡単に言うと「面倒」だったのです。

 半年から一年くらい前だったと思うのですが、ゴムのような柔らかいコードを針先に装着して、そのまま目を滑らせるようにコードへ移動させていた動画をInstagramで見かけたことがありました。その移動の鮮やかさにすっかり目を奪われてしまったのです。それ以来、いつか買いたいなと思っていたところ、先日旅先のKonstanzで立ち寄った毛糸屋さんFrau Schäferで、このコードが販売されているのを見つけました。ちょうど旅の直前にとある毛糸屋さんのオンラインショップを見ていて、このコードをそのショップで買おうかどうか迷ってやめた経緯があり、現物を見ることができたこともあって購入を決めました。このときに行ったFrau Schäferについては、下記記事で触れています。

 このコード、英語圏ではTKB Cordsという名称で知られているようです。TKBはThe Knittng Barberの略で、フィンランドのVaasa ヴァーサで理容師をしながら編み物関連商品の開発をしていたJojo Stolpeさんのお店の名前です。なお、ドイツ語ではMaschenkordelまたはMaschenhalterと呼ばれているようで、私が買った商品はMaschen-Kordelという表記でした。

◎The Knitting Barber

 セーターやカーディガンを編むまで当分使わないかな~と思っていたのですが(これを買った当時は、編む予定がなかった)、Lyon Sweaterを編むことになってやっとこのコードの出番を迎えました。

シリコン製のスティッチホルダーの使い方

 丸い小さな缶に入っているのは、2本のスティッチホルダーでした。2本とも長さは150 cmとかなり長め。長過ぎると使い勝手が悪いこともあるので、1本は半分に切ってもいいかもしれません。

 このスティッチホルダーは、太さが2 mmほどの中が空洞のチューブ状になっています。

 このコードを針先に差し込みます。このとき、ちょっと引っ張ったくらいではコードが針から外れてしまうようでは目を移すのがうまくできないので、しっかりと差し込むのがコツ。下記の写真で使っている針は4 mm針で、針先4 mmほど差し込んでいます。これだと、目を移している最中にコードが針から外れることはありませんでした。

 あとは針にかかっている目を必要なだけコードへ移すだけです。あっという間にコードへの移動が完了しました。すごい、めちゃくちゃ簡単で便利! チューブの表面はつるつるしていないので、チューブでの目の滑りはすごく良いわけではありませんが、そんなに気になるほどではありませんでしたし、慣れれば問題なさそうです。

 シリコン製なので、コードの先を結ぶこともできます。長時間結んだままで置いておくと潰れてしまいますが、短時間なら結び目がくせになったりもしません。買って本当に良かった!


 
 以下、蛇足です。
 実はこのコード、ドイツに移住して間もない2014年ごろに、編み物とはまったく違うところで見たことがありました。ドイツ各地にある小売店のMüllerというお店で、子どものおもちゃや手芸用品が並ぶ売り場に陳列されていたのです。初めて見たときは一体何に使うおもちゃなんだろう?と疑問に思っていましたが、これがTKB Cordsとそっくりだったのです。今回、この記事を書くにあたり、Müllerで見たあの商品の名称を調べて初めて知ったのですが、これはScoubidou(リンク先:Wikipedia)と呼ばれる、アフリカ大陸からフランスへ入ってヨーロッパで広まった手芸の道具だということが分かりました。たとえば、ミサンガを作るときに日本では一般的に刺繍糸を使いますが、刺繍糸の代わりにこのコードを使って作ったりするようです。
 
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2件のコメント

  • Yukaさんこんにちは!これ気になってました!使い勝手良さそうですね。目がササッと移せるのいいですよねー。試着が気軽にできそうです。私は輪針セットの長いケーブルを繋げて代用してますが、こういう柔らかいチューブは目を休ませて他部分を編む時に邪魔になりにくそうですね。

    • Iggiさん、コメントありがとうございます。
      これ、めちゃくちゃ使い勝手の良さが想像以上でした。試着するなら、柔らかいこのコードが良いかもしれません。いまはいろんなところでこのコードが販売されているようなので、ぜひ! おススメです。
      Iggiさんのケーブルをつなぎ合わせるアイディア、考えたこともなかったです! それはたぶん、編んでる最中にに試着しないからですね笑。この良いアイディア、参考になります〜。

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