市販のFederweißer フェーダーヴァイサーは、自宅で発酵させる必要あり?

冷蔵棚に並び始めたFederweisser フェーダーヴァイサー。ワインを発酵させている途中の飲み物です。アルコールが含まれています

 
 昨日の朝、近所のスーパーへ買い物へ行ったとき、通りすがりで何気なく見た冷蔵棚には、一面にFederweißer フェーダーヴァイサー(リンク先:Wikipedia)が並んでいて驚愕しました。早くない? でも、よく考えてみたら、去年もそうだったかもしれない……。
 フェーダーヴァイサーは、簡単に言うとワインになる前のアルコール飲料で、ぶどうを絞って、それをワインにするために発酵させている途中のものです。これは時期的にぶどうを収穫し、ワインの醸造が始まった短期間しか飲めません。基本的に一年に一度だけのお楽しみです。

 私がフェーダーヴァイサーを初めて飲んだのは、イギリスに行く前に住んでいたマインツ Mainzででした。マインツを州都とするラインラント=プファルツ州 Rheinland-Pfalzのラインガウ周辺からモーゼル川あたりは『ドイツのワイン都市』を標榜しているだけあって、ワイン生産がとても盛んな地域です。電車で走っていると山の斜面にたくさんのぶどう畑を見ることができます。マインツでは毎年ワイン祭りが開かれ、ワインの女王 Weinköneginが選ばれ、スーパーの棚にはたくさんの種類のドイツワインが並んでいて、ワインがとても身近な飲み物なのです。
 10月に入るとマインツでは、ひと月限定でフェーダーヴァイサーのスタンドが町中に現れます。できたてのフェーダーヴァイサーをその場で飲むこともできましたし、瓶で購入することもできました。もちろん、この時期はスーパーにもラインラント=プファルツ産のフェーダーヴァイサーが並んでいました。しかし、10月が終わり11月になると、町中にあったスタンドは消え、スーパーからもフェーダーヴァイサーの瓶が消え、その存在はあっという間になくなってしまいました。

 そうなんです、フェーダーヴァイサーって私にとってはマインツで経験した「10月くらいに飲めるもの」だったのです。昨年、久しぶりにドイツに戻ってきて、スーパーを見ていたとき、8月くらいからフェーダーヴァイサーの瓶がスーパーに並んでいるのを見て、本当にびっくりしました(場所によっては、8月からというところもあるらしいことを、今回初めて知りました)。でも、10月に飲めるものだと思いこんでいた私は、10月になれば美味しいフェーダーヴァイサーが飲めるのだろうと思っていました。が、これも消えるのが早かった。たしか、10月には跡形もなく消えてしまい、昨年は一度も飲むことが叶いませんでした。

 なので、今年は見かけたら絶対買おう!と決めていたので、フェーダーヴァイサーを一本購入してみました。マインツ以外で買うのは初めて。赤とロゼ、白と三種類あったので、ここは定番の白を選択。

ちなみに、瓶詰めで売られているフェーダーヴァイサーは、発酵中であるため中身が爆発しないよう、蓋がきっちり閉まっていません。運ぶときに横にすると中身がこぼれてしまいます。購入した瓶にもそのように書かれていました。

ラベルだけでなく、蓋にも「瓶を横にしない」と書かれています。蓋をきっちり閉めてしまうと、発酵が進んだ場合、中身が爆発する可能性があるのです

 
 さっそくグラスに注いでみました。見た目に、あれ?とは思いましたが、まずは一口飲んでみました。
 うーん、見た目も味も、マインツで飲んだのとは全然違いました。

 まず見た目。白濁していません。透明です。写真だと分かりづらいですが、薄く黄色い透明な液体でした(グラスに注ぐ直前まで冷蔵庫で冷やしたため、グラスに付いた細かい水滴が液体が濁っているように見せているだけ)。味は、甘くて美味しいぶどうジュース。舌に刺激もなく、とても発酵している途中とは思えませんでした。

グラスに注がれたフェーダーヴァイサー。液体が濁っているように見えますが、それはグラスについた水滴のせいでそう見えるだけで、実際は薄く黄色い透明な液体でした。知っているフェーダーヴァイサーとは全然違いました

 
 「これは本当にフェーダーヴァイサーなんだろうか?」と不思議に思ってラベルを見てみたら、「冷蔵庫では発酵が遅くなる」と書いてありました(スーパーでは、冷蔵棚でキンキンに冷やして販売されていました)。また飲むのに適した温度が18~20℃とあるのに、それにしては冷やして販売されていたし……。

 ということは、買ってきたばかりの瓶ではまだ発酵があまり進んでいなくて、購入後自宅で発酵させて飲むものなの!? 瓶にはアルコール度数が10%と書いてあるのに、買ってきてすぐに飲んだらただのぶどうジュースと感じたのは、まだ発酵が進んでなかったからなのかもしれません。どうりでアルコールが入っているようには感じなかったし、発酵途中は微炭酸があるので、飲むとちょっと舌に刺激があるのですが、それもなかったし、液体中に浮遊しているはずの酵母もなかったし(この見た目がFeder 羽のように見えるため、フェーダーヴァイサーという名前の由来になっています)。マインツのスタンドやスーパーで買ったものは、これらがすでに含まれているものだったので、昨夜買ってきて飲んだのは、見た目から味から別物にしか思えませんでした。

 ということで、自宅で発酵させるべく、冷蔵庫から出して、涼しい場所に置いて、しばらく様子を見たいと思います。美味しくなーれ。

 なお、マインツで飲んだフェーダーヴァイサーの写真がありましたので、参考までに載せておきます。
 フェーダーヴァイサーと言えば、一緒にZwiebelkuchen 玉ねぎケーキやFlammkuchen フラムクーヘン、キッシュなどと一緒に飲むのが定番です。

2017年10月に、町中に出ていたスタンドで購入したフェーダーヴァイサー。白く濁ってる、これこそがまさにフェーダーヴァイサーです。スタンドには手作りのZwiebelkuchen ツヴィーベルクーヘンも売っていました

 
スタンドかスーパーか忘れてしまいましたが、瓶詰めで売っていたフェーダーヴァイサー。これもやっぱり濁ってる。そしてグラスにはうっすらと炭酸が見えています

 
 結果をブログでレポートできればいいのですが、どうなるか。
 
 常温放置して発酵を促した結果は下記記事に。


 
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