1目ゴム編みのとじでItalian Bind-off 〜Zipper Sweater


 袖を編んでいたZipper Sweaterですが、糸が太いだけあって進みも早く、もうねじり目の1目ゴム編みも終わりました。あとは袖口をとじるだけです。


 デンマークのPetiteKnit(リンク先:Ravelry)デザインによるセーターZipper Sweaterのパターンを購入し、現在編み進めています。

 Zipper Sweaterのパターンは↓こちら(リンク先: Ravelry)。

 PetiteKnitの公式サイトは↓こちら。


 パターンには、ゴム編みが終わったら、余分に編む段(以下、「準備段」とします)がありました。それは、「表目(ねじり目)を編み、裏目はすべり目」をくり返す、次の段では「表目をすべり目、裏目を編む」をくり返す、これをあと1回ずつ行い、Italian Bind-offでとじるというものでした。
 とじるためにこんな準備が必要なのは初めてだったので、最初はどうなるのかがまったく分からずに書かれているがままに4段を編んでみました。すると、できたのがいわゆる『袋編み Double Knitting』状態になった袖口でした。
 でも、なぜ袋編みにするんだ?と思って調べてみたら、同じ疑問を抱いた人がRedditに投稿しているのを見つけました。しかもPetiteKnitデザインのセーターを編んでる人だったんで思わず親近感。

 回答にSuzanne Bryanさんの動画が参考になるとあったのでさっそく見てみたのですが、それだと何のために準備段が必要だったのかがよく分からないままだったので、他の方の動画も探してみることに(もしかしたら音声で説明があったかもしれませんが、聞いてないので……)。
 そして見つけたのが、Sascha Knitsさんの動画(下記)でした。これを見て目から鱗! 準備段を編んだことで、針にかかっている目を表目だけと裏目だけに分けられるようになったので、2本の針にそれぞれを分けたら、あとはメリヤスはぎ Kitchener Stitchをする要領でとじていけばいいことが分かったのです。準備段にいったいどんな意味があるのかをこれでやっと理解できました。なるほどー! こんなやり方があるんですね〜。上記のRedditの回答に「とても簡単」とありましたが、その理由はメリヤスはぎでとじていけるからなんですね。ゴム編み止めが複雑でよく分からないという人には、オススメの方法です。

 
 実際にやってみた写真を載せておきます。今回はねじり目にしてからとじることはしていません。

 準備段(Zipper Sweaterでは4段)を編むと、赤く囲ったところのように、裏目の上に線が入ります。これは、表目を編んだあと裏目で糸を手前にしてからすべり目をするためです。

 準備段を編んだら、別の針を用意して、表目と裏目に分けます。準備段を編んだことによって、このようにきれいにパカッと分かれます。

 あとは、メリヤスはぎをしていくだけ。ゴム編み止めは運針が複雑ですが、メリヤスはぎならばさほど難しくありません。

 糸端も全部処理して、袖口のとじが終了。準備段を編み始めたところで編地が折れているような感じに見えますが、まあ、これくらいなら許容範囲。

 実に合理的なItalian Bind-offなのでした。
 今回はやったことのない初めてのとじ方だったので、パターンに書かれている通りにやりましたが、個人的には、縫い針を使ったゴム編み止めができるので、この方法をわざわざ選ばなくてもいいかな、という感じです。知っておいて損はない方法ですけどね。
 
※2023年5月13日追記
 上記の方法は、本来はItalian Bind-offではなく、Tubular Bind Offが正式名称だと分かりました。Italian Bind Offは、準備段を作らずにそのままとじていく、いわゆる日本語で言うゴム編み止めのことです。
 
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10件のコメント

  • Petite KnitのMOBY SWETERを編んでいます。
    このセーターも裾や袖口のゴム編みが、最後の2段を
    ダブルニッティングにしてからイタリアンバインドオフ
    になっていますが、普通に袋編みの後普通のゴム編み止め
    にしていいのですか?
    と言うか編み針にかかっている目を表目と裏目に分けずに
    一目ゴム編み止めができますか?

    • 山本美樹子さん、はじめまして。コメントありがとうございました。
      Italian Bind-offへのご質問についてですが、もしご自身がゴム編み止めのやり方を理解していて問題なく出来るのであれば、袋編みをせずに直接一目ゴム編み止めをしても良いと思います。もし袋編みをしたとして、表目と裏目を分けずにゴム編み止めもできますし、そうしても問題ないはずです。ただ、実際にやってみたときに、普通の一目ゴム編み止めができるならば、袋編みをする必要性は感じられませんでした(もしかしたら段数の違いに注意が必要になるかもしれませんが)。ちなみに、私はこのZipper Sweaterを編んだあとに同じくPetiteKnitのLyon Sweaterを編んでおり、パターンにはゴム編みの終わりでItalian Bind-offをすると書かれていましたが、普通のゴム編み止めをしました。そのときに書いた記事はこちら

      Italian Bind-offは、ゴム編み止めで行う複雑な運針を分かりやすく簡単にできるようになっているものだと、個人的には理解しています。そのために袋編みをして表目と裏目を分けることによって、メリヤスはぎを行う要領でとじていくことができるようになるのが、この方法の最大のミソではないかと思います。

  • Yuka様
    ご丁寧なお返事ありがとうございます。
    私は普通のゴム編み止めは何度もやっており
    慣れているので是非ご紹介いただいた今まで
    通りのやり方でやってみます。
    今後の海外のパターンでの編み物にとても
    参考になりました。
    ご相談して良かったです。
    ありがとうございました。

    • 編み物は自由度が高いため、必ずしもパターンにある通りに編まなくてはならないわけではないので、そこは海外のパターンでも同じだと思います。
      お悩みが解消されたようで何よりです〜。

  • はじめまして。Petite KnitさんのSille Slipoverを編んでいて、Double Knittingのやり方がパターンに書いておらず、悩んでおりました。

    ちょうど、リブをアレンジして1×1のねじりゴム編みにしていたので、こちらの内容ですべて解決しました。ありがとうございます。

    • パルムさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
      Double KnittingからのItalian Bind Offについてのこの記事がお役に立てたのでしたら何よりです!
      ちなみに、PetiteKnitのパターンに出てくるテクニックについては、公式サイトにビデオが用意されていて見ることができるようになっています。編んでいらっしゃるSille Slipoverでしたら、PetiteKnit公式サイトのSille Slipoverページへ行くと、グレー地のボタン「SELECT A LANGAGE」(言語を選んだあとだと「ADD TO CART」と表示されます)の下に「DESCRIPTION」「VIDEO」という文字が並んでいるかと思います。ここの「VIDEO」をクリックすると、Sille Slipoverで必要なテクニックのビデオが並んでいて、ここの一番最後に2目ゴム編みでのDouble KnittingからのItalian bind-offのやり方を見ることができるようになっているみたいです。念のため、お知らせまで。もしすでにご存知だったらすみません。

      • ありがとうございます。PetiteKnit公式サイトは見ておらず、RAVELRYだけ見ていました。
        パターンもよく見たら、Double Knittingのやり方が文章で書いてありました。

        初めてPetiteKnitのパターンで編んでいて、このDouble KnittingからのItalian bind-offは初めて知り、ゴム編み止めが出来ないので、私は気に入りました。

        いろいろと教えてくださりありがとうございます。

        • 私も公式にテクニックにかんするビデオがあることを知ったのは、ここ一年くらいの間なので、Ravelryだけ見ていたときは、同じように分からないことだらけで、結構苦戦したこともありました。ビデオ内の言語はデンマーク語ですが、見ていればどうすればいいのか分かりますし、YouTubeで直接見れば英語字幕を出せますし、これを知っているかどうかでPetiteKnitのパターンを編むのが楽?になるかが違うかもしれないですよね〜。

  • パルムさんに返信されていたピンク色のリンクに行っても、その後がわからない言語でグレー地のボタンもなくダブルニッティング等のビデオには到達できませんでした。サイトのコンセプトが変わってしまったということでしょうか?

    イサガーのカウルのキットを編んでいて最後がダブルニッティングとイタリアンバインドオフになっているのですが、そこに添付された図がよく分からず、購入先の方に聞いても一目ゴム編みで仕上げればいい、と言われてしまいました。図を見ると明らかに一目ゴム編みとは違う目を拾っていっているのです。海外のレシピにはこのように必ずしも、忠実に図の通りに仕上げたいと思った時に問い合わせ出来る窓口はないものでしょうか?図が間違いであれば、それで納得できるのですが…何日もいろいろ調べて悩んでいます

    変な質問ですみません。森永ミルクキャラメル

    • 森永さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
      いただいたコメントを拝見してリンク先を確認しましたが、サイトも以前と変わっていませんでしたし、動画にも到達できました。どういうご環境でサイトをご覧になったのかが分からないので何とも言えませんが……。動画へ直接飛べるリンクが分かったのではっておきます。参考になさってください。→Nem italiensk aflukning i 2×2 rib

      イサガーのカウルのキットというものが何かが分からないのですが、そのカウルはPetiteKnitさんのパターンなんでしょうか? そして、添付されていた図はどこが用意したものなのでしょうか。たとえば、その図がもともとPetiteKnitさんのパターンにあるものだったら図についての問い合わせ先はPetiteKnitさんでしょうし、キットを用意したお店が付け加えてたものなのでしたらお店にご質問するのが良いかと思います。一度ご質問されたようですが、別のスタッフの方に聞いてみてはいかがでしょうか。

      パターンについて疑問があった場合、個人販売しているものなら質問の窓口はそのパターンを執筆した方だと思います。ただし、パターンを個人販売しているのではなく本として出版されているのでしたら、この場合は出版社が窓口となります。日本・海外関係なく、どの場合でも同じではないでしょうか。いずれにしても、海外のパターンについての質問について一元化した窓口はないと思います。

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