ドイツでは、以前よりも日本茶が手に入りやすくなったみたい

ゲッティンゲンにあるお茶屋さんエヴァート Tee und Gewürze Ewertでは日本茶がとても充実しています。茎茶(左上)、玄米茶(左下)、ほうじ茶(右上・下)のこれらはすべてEwertで購入した日本茶です

 
 ゲッティンゲンには、日本食で使う調味料や食材などを置いているお茶屋さんのエヴァート Tee und Gewürze Ewertがあります。お店を知ったばかりのころは、食材を目当てに通っていましたが、あるとき、ここに玄米茶とほうじ茶が売られていることに気づいて歓喜。それ以来我が家では両方とも切らさずに常備しています。
 このお店には、ほかにも煎茶や茎茶、番茶、抹茶などの茶葉を置いていて(量り売り)、それらを気軽に買うことができるので、一時帰国のさいに買いだめしたり日本から送ってもらったりアジアスーパーで買わずとも、いつでも日本茶が好きなだけ飲めるという、お茶好きには天国のようなところ。ゲッティンゲン以前と以後とでは、お茶生活が一変しました。それまでは毎日紅茶、ときどき日本茶だったのが、いまは毎日日本茶、ときどき紅茶となっているほど。


 
 日本茶はいつもエヴァートで買っているので、このお店だけ種類が充実しているのだとばかり思っていました。しかし、ここ最近、Tee Gschwendner(ドイツ国内で大きくチェーン展開しているTeeladen お茶屋さん)の広告で、日本茶を見かけるようになりました。下の画像は、あるとき見かけたTee Gschwendnerのネット広告です。

普段ならぼーっと広告を流し見しているところですが、このときは出てきた写真に目が釘付けになってしまいました。その理由は下記の通りです(ブログ用に画像を小さくしているので、分かりづらいかもしれませんが……)。

画面右にある商品のうち、上二つは日本茶。広告に載せるチョイスがなんかすごい。ちなみに下二つは、左がアジア茶初心者向けのセット(内訳は日本茶、中国茶、韓国茶、インドネシア茶)。右が、おそらく中国茶のどれか

 
 日本茶はEwertだけにしかないと思っていたのに、実はほかのお茶屋さんでも日本茶を扱うようになってきてるのか、とビックリ! Tee Gschwendnerのオンラインショップを見てみたら、たしかに扱いがありました。こちらも結構充実しています。

Grüner Tee – Japan(リンク先:Tee Gschwendner)

 全国展開しているお茶屋さんのTee Gschwendnerで日本茶の扱いがあるということは、ドイツ全土で日本茶が手に入りやすくなっているということなのだと思います。全体的にEwertよりもお値段がちょっと高めですが、せっかく近くにお店があるので、今度ためにしに何か買ってみようと思っています。
 
 ……なーんてことを思っていたら、やはり全国展開しているBioスーパーAlnaturaの商品に、煎茶の茶葉があるのを先日発見しました。これには心底驚いた。

ドイツのお茶屋さんで扱っている日本茶の茶葉は、Bioを謳っているものがほとんど。そこから想像すれば、Bioスーパーで商品化されているのは当然といえば当然かも

 
 なぜかドイツで見かける日本茶は、Bioを謳っているものが多いので、それならばBioスーパーにBioで育てた日本茶の商品が置いてあるのも納得です(もともと、抹茶パウダーも売ってたし)。でも、実際に商品を見つけたときは、「えっ、煎茶の茶葉!?」と驚きの方が強かったです。
 日本茶にとくに注目していたわけではないのに、意識せずともこんなに見かけるようになるとは。これはもう比較的簡単に日本茶の茶葉が手に入るようになった、と言っても過言ではないでしょうね。

Grüner Tee Sencha(リンク先:Alnatura)

 私がドイツに来たばかりのころは、ドイツの緑茶というと、メーカーが出しているティーバッグが一般的で、しかもそれは日本茶ではなく、香りがついたフレーバーティーばかりでした。そのため、前述したように、日本茶の茶葉が欲しいときは、一時帰国で買いだめするか、日本にいる家族に送ってもらうか、アジアスーパーで購入(高い!)するしかなかったのです。そのため、我が家にとっては貴重品だったので、いつも大切に飲んでいたのに、こんなに気軽に買えるくらいになったんだなあ。昔は、ヨーロッパの人はフレーバーがないと緑茶は飲めないって教えてもらったことがあるので、ヨーロッパでは日本茶は全然馴染みのないものなんだとと思っていたのに、ずいぶんと変わるもんですね。
 
 緑茶にまつわるフィンランドでの体験を思い出したので、書いておこうかな。

 20年近く前、フィンランド国内を一人旅していたときに知り合った母娘は、日本に住んでいた経験があり、日本語が少し話せる人たちだったので、すぐに仲良くなりました。その母娘と話をしていたときに、何がきっかけだったのかもう覚えていないのですが、「フィンランド人は緑茶がダメ。ほとんどの人は飲めない」と言われたことがありました。味に馴染みがないから、とも。紅茶は一般的なのに、緑茶が何でダメなんだろうと、不思議に思ったものです。
 このこととはまた別のとき、この母娘とは別のフィンランド人家庭に宿泊して初めて迎えた朝食時、ホストマザーに「日本人は緑茶が好きでしょう? 緑茶のティーバッグがあるから好きなのを選んでね」と言われて出されたのは、緑茶にオレンジやバニラといった香りがついたティーバッグ。日本で飲むのと同じ緑茶を想像して喜んで伸ばした手が、思わず怯んでしまいました(日本人が泊まりに来ると分かって緑茶を用意してくれていたことは想像に難くなく、無碍にはできず結局オレンジの香りがついたティーバッグを選んだ思い出。香りが良くて、これはこれで美味しかった)。
 これらの出来事の数年後、知り合ったまた別のフィンランド人と、フィンランドで有名なコーヒーチェーン店Robert’s Coffee(いまは日本にもあるんだねー! 知らなかったよ!)へ行ったとき、メニューに『Sencha』がありました。これに驚いて「Senchaって日本のお茶なの知ってる?」と友人に質問したら「もちろん!」と言われたので、「何年か前に『フィンランド人は日本茶が飲めない』って友達のフィンランド人が言ってたから、メニューにあってビックリした」と言ったら「最近、煎茶が人気あるのよ」と教えてくれました。そのとき、じわ~っと日本茶が広がってきていることを知りました。

 たった数年でこの違い。そして、十年単位になると、もう家庭でも飲めるくらい一般的になったってことなんですね、きっと。ずいぶんと日本茶がヨーロッパでも馴染んだんだなあ、と感慨にふけってしまいました。
 
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