ドイツ式作り目や指でかける作り目をするとき、手前にくる糸の長さを決める方法
私が普段好んで使う「ドイツ式作り目(German Cast On)」や、日本で一般的だと言われている「指でかける作り目(Long Tail Cast On)」では、糸を針にかけたときに手前にくる糸(この糸のことを呼ぶ特別な名称があるんでしょうか)の長さが重要になってきます。この糸が長すぎると、作り目が終わったあとにえらく長い余り糸ができてしまいますし、これが短いと作り目の数が十分にできません。
私も以前はこんなことが頻発していましたが、いまはそんなことはほとんど起きなくなりました。どうやっているのか、その方法を紹介します。よく知られていると思いますし、とても簡単にできます。
糸を針に巻きつけて長さを測る。
ただこれだけです。ドイツ式作り目も指でかける作り目も、手前にくる糸の長さを決める測り方は同じですが、それぞれにはちょっとしたコツがあるので、それを紹介しようと思います。
手前にくる糸の長さを決めるための測り方とコツ(ドイツ式作り目の場合)
ここで使用した道具は、ソックヤーン(4 ply)、2.5mm針で、作り目は60目という設定です。
1. 糸の端を針に乗せて指で押さえます。
2. 針に糸を10回巻きつけます。このとき、巻いた糸の間がつまりすぎないようにします。また、糸を強く引っ張らないようにして、糸を置いたときと同じような伸張で巻くのがポイント。
3. 巻き終わったら、10巻き目を抑え、針から糸を外します。これが、作り目10目分の目安となります。
4. 3.の長さを基本に、作り目60目分を糸を折りたたんで測っていきます。これで、だいたい60目分の長さが用意できました。
5. あとは糸端で余分が出るように8~10cmくらい長く取ります(この長さは自分の手のきつさと相談となります。私はいつも7~9cmくらい取っています)。これで手前にくる糸の長さが決まりました。下の画像では、分かりやすく印を付けています。
6. 印を付けたところを針にかけ、あとは普通にドイツ式作り目をします(私はいつも最初の目はただかけるだけにしています)。
この方法で測ってからドイツ式の作り目をすると、糸端から作り目までの距離が5.で取ったよりも少し長くなったくらいとなります。
ちなみに、ドイツ式作り目をするときの測り方で、指でかける作り目をすると、下の写真のように、余り糸がかなり長くなってしまいます。こんなに長いと編むときに邪魔になりがちです。
こうならないように、指でかける作り目の場合には、また別のコツがあります。
手前にくる糸の長さを決めるための測り方とコツ(指でかける作り目の場合)
※指でかける作り目は針を2本使って行うことがありますが、ここでは針1本で作り目をするときの場合です
測り方はドイツ式作り目と同じです。ただし、指でかける作り目の場合は、巻きの幅を少し狭めて、糸を少しだけ引っ張りながら巻くのがコツです(もちろん、ぎゅーぎゅー引っ張ってはダメ)。
この方法で測って指でかける作り目をしたら、下の写真にようになりました。
以上です。簡単にできて、とても有用な方法じゃないでしょうか。ドイツ式作り目も指でかける作り目も、作業を始める前にこうやって手前にくる糸の長さを測ってから作り目をすると、余りすぎたり短すぎたりして、ほどいてまたやり直し……なんてことは起こらなくなりましたので、ぜひ試してみてください。