かかとだけを編み直してみた ~くつ下の修繕
以前夫に編んだくつ下を洗濯したときに、かかとにわりと大きな穴があいていることに気づきました。かかとがずいぶんと薄くなっていたとは思っていましたが、まさかもう穴があいていたとは。さすがにこれは……と修繕することにしました。柄に合う糸を選んでいたら、編んだときに余った糸が出てきたのでちょうど良かった。
でも、どうやって直すかはちょっと迷いました。最初は、穴があいたところだけをかがって直そうかと思いました。ただ、それだと、結局そのかがった一部分からまた別のところに穴ができてしまう、というのを何度か経験しているので、どうせなら、まだ一度もやったことがなかった「かかとだけを編み直す」方法を試してみることにしました。
ちなみにこのくつ下は、イギリスに住んでいた2020年1月に、それより前に一時帰国したさいに買った日本のメーカーのソックヤーンを使って3 mm針でつま先から編んだものです。かかとはブーメランヒール、つまりショートロウを使って編んだもの。編み上がった日に撮った写真が見つかったので、載せておきます。
修繕の手順は次のように考えました。だいたいこんな感じでいいような気がします。
1. 1段の目数と、ショートロウをするさいに中央に残す目数を確認す
2. 穴があいたところを中心に、かかとを切り取る
3. かかとのショートロウが始まった段を見つけ、縫い針と別糸を使って目を拾う
4. 3.で拾った目までほどいていく
5. 1段の総目数を足の裏側と脚と同数に分け、片方を別糸から針に移してブーメランヒールを編む
6. ブーメランヒールが編み終わったら、1段だけ輪で編む
7. メリヤスはぎをして完成
以下、手順ごとにいろいろと書いていこうと思います
1. 1段の目数と、ショートロウをするさいに中央に残す目数を確認する
夫のこのくつ下は、前述のとおり、3 mm針を使っていますが、1段は2.5 mm針で編むときと同じ72目でした。そうなると、5.で目を分けたときの目数は36ずつとなります。
ショートロウをするさいに中央に残る目数と、つま先の作り目の目数半分を同数(12目)にしたとおぼろげながら記憶していたので、36目から12目を引いて24目、ショートロウは往復で編むのでこれをさらに半分にすると、ドイツ式ショートロウで作るダブル目は片方12目ずつ(計24目)ということになりました。
2. 穴があいたところを中心に、かかとを切り取る
フェルト化しているかかとを1目ずつほどいていくのはかなり大変だろうことが予想できたので、それならざっくりと切っちゃえ!と、こうなりました。ざっくりにもほどがある。
3. かかとのショートロウが始まった段を見つけ、縫い針と別糸を使って目を拾う
ショートロウが始まった段を見つけるのは、そんなにむずかしいことではありませんでした。このとき、拾った目数が1段の総目数になっていることを必ず確認。
4. 3.で拾った目までほどいていく
たった2~3段でしたが、フェルト化した糸をほどいていくのはかなり時間がかかりました。そのため、2.で少しだけ残して切ってしまうのは有効な手段だったと思います。ただ、拾った目の手前の段では、面倒でも1目1目丁寧にほどいていき、数センチの糸端を出しておきました。これだと目がほつれていきません。
5. 1段の総目数を足の裏側と脚と同数に分け、片方を別糸から針に移してブーメランヒールを編む
目を同数に分けたら、片方は目を休ませておき、もう片方でショートロウを使ってブーメランヒールを編んでいきます。今回私は足裏側からブーメランヒールを編みましたが、もう片方の脚側から編んでも大丈夫だと思います。
6. ブーメランヒールが編み終わったら、1段だけ輪で編む
ブーメランヒールの最後の段は、最初の2目と最後の2目はダブル目になります。そのため、これを消すために、休ませておいたもう半分の目を針に移し輪にして、1段だけ編みました。この方がメリヤスはぎがやりやすくなるかと思ったからです。ただこれは余計な1段となるので、もしかしたら編まなくてもよかったかもしれません。
そして、メリヤスはぎのために60 cmくらいと、ちょっと多めに残して糸を切りました。
7. メリヤスはぎをして完成
あとは、ブーメランヒールを編んだ半分の目ともう半分の目をメリヤスはぎでとじていき、完成です。編むときにも穴ができやすい、かかとと本体をつなぐところは、穴ができていたので、これはメリヤスはぎをした糸をそのまま裏側に持っていき、適当に穴をとじて始末しました。
もう片方と比べてみると、かかとが違うような気がしますが……これはおそらくソックブロッカーを履かせて乾かしたか(写真右)そうじゃないか(写真左)の違い……だと思います。そう思いたい。
今回のくつ下のかかとだけを修繕するのは、初めてのわりにまあまあうまくできたと思います。ただ、目数のことやら気にしなければならないことがいろいろとあることに気づけたので、つま先の目数やかかとの編み方や目数など詳細に記録しておいた方が良いかもしれない、とも思いました。たぶん、なくてもなんとかなるだろうけど、あった方が修繕するにはより良い気がしています。いまさらですが、今後はそういった細かい記録はブログに書いていこうかなあ。ブログを始めたときは、糸や使った長さ(重さ)なども記録してたのに、いまじゃあね……反省。