別糸を使ったゴム編みの作り目を輪編みに応用


 前々回と前回の続きです。前々回の記事では、別糸を使ったゴム編みの作り目について、やり方を詳しく書いています。


 
 前回と前々回で紹介した別糸を使ったゴム編みの作り目は、平編みを想定したものでした。今回はこれを輪編みに応用しようと思います。

 まず、編み始める前に確認しておくことは、平編みでは、メリヤス編みを3段編んでから裏にして目を拾い裏目、次の目を表目で編んでいきました。
 これが輪編みになると、常に見えているのは表側だけなので、やり方が多少変わってしまいます。別糸で輪針に編みつけたあと、1段めを表目で編み、最後の目まで編んだら、そのまま輪にして最初の目を続けて編みます。こうすれば、問題なく輪にできます。そして、そのまま表目で残り2段を編んで3段のメリヤス編みをしたら、裏から目を拾って編めばできる、という算段です。

 では、さっそく別糸を使ったゴム編みの作り目を輪にしてみます。かぎ針、輪針(ゴム編みは3.25 mm、作り目を編むときはその2サイズ大きい3.75 mmを使用)、別糸(ピンク)、本糸(水色)を用意します。ゴム編み40目、表目・裏目・表目……と続けて編み、最後に裏目になる1目ゴム編みにしようと思います。
 

別糸を使ったゴム編みの作り目を輪にする方法

1. 平編みと同様、別糸を使って、指定された目数の半分(この場合20目)をかぎ針で3.75 mmの輪針に編みつける。やり方はこの記事を参照

2. 別糸の作り目をマジックループ Magic Loopで半分(10目)ずつ2本の針にかけ、本糸を使って表目で1段目を編む。最後まで編めたら、そのまま続けて最初の目を編み、輪にする。

3. 残り2段も表目で編み、メリヤス編みを3段編む。

4. ここからゴム編みの作り目。最初の目を表目で編む。

5. 表目を編んだら裏返して、平編みのときのように本糸で編んだ一番下の畝を、右手に持った針で上から下へ通して目を拾う(表にしたままで拾うこともできなくはないですが、裏にしてから拾った方がやりやすいと思います)。

6. そのまま表に戻すと、左針に拾った目がかかっているので、これを裏目で編む。

7. 以降、4.~6.をくり返し、ケーブルで別れている境目でも畝から目を拾うのを忘れずに、針にかかっている最後の目を表目で編む。

8. 1目ゴム編みの最後の目は、下の写真を参照に、輪にしたときにできた一番下の目と目の間の渡り糸を見つけ、これを拾って裏目を編む。
 表から見たときの渡り糸の位置。

 下が裏から見たときの渡り糸。ここを上から下に針を通して目を拾い、裏目を編む。

9. これで1目ゴム編みの作り目は完成。ここで2段が編めていることになる。

10. 針をゴム編みを編む3.25 mm針に変え、必要な段数を編む(最初に2段が編めていることを忘れずに)。

11. 別糸を抜いてできあがり(別糸を抜くタイミングは、ある程度段数を編んでからの方がいいと思います)。輪にできた!

気になる伸縮性

 この作り目で気になるのは、裾の伸縮性です。平編みでは書き忘れてしまいましたが、ここでできた輪の1目ゴム編みで伸縮性を確認してみました。あっ、サイズを測っていませんでした。見た目でご判断ください。

 けっこうな伸縮性だと思うのですが、どうでしょうか。私は満足です。
 
 輪にもできたし、伸縮性も十分。これはカーディガンの袖を編むときも「別糸を使ったゴム編みの作り目」一択ですね。ゴム編みをするのにいままで使っていた一般的な指でかける作り目(Long Tail Cast On)やGerman Cast Onの裾を否定するつもりはありませんが、やっと簡単で理想的な裾になるゴム編みの作り目に出会えた気がします。これでカーディガンBreckonに取りかかれる。
 
にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物(個人)へ 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です