ケンブリッジにあるパーク・アンド・ライド Park and Ride


 イギリスのケンブリッジは、ケンブリッジ大学とともに歴史を歩んできた町で、大学創設が1209年なので、かなり歴史のある場所でもあります。その古さゆえなのか、町中 City centreの道路は狭く、一方通行の道もたくさんある上に、車が通れる場所が限られています。初めて町中を自転車で走ったときは、その道の狭さに驚いたものです。
 観光地としても人気の高いケンブリッジは、観光客がたくさんやってきます。しかし、観光に車でやってきても中心地には大きな駐車場はあまりなく、車で乗り入れるのも、車を置く場所の確保も大変です。

 そのため、ケンブリッジではパーク・アンド・ライド Park and Rideというシステムが導入されています。パーク・アンド・ライドとは、中心地の郊外に作られた駐車場まで自家用車などで行きそこに駐車させてから、公共交通機関で中心地へ移動するシステムです。詳細は、パーク・アンド・ライドのリンク先(Wikipedia)の解説をご覧ください。
 ケンブリッジのパーク・アンド・ライド P&Rには、何百台と車を停めることができる広大な駐車場と、中心地へ行くバスの発着場が併設されていて、全部で下記の5か所があります。

◎ Newmarket Road ニューマーケット・ロード(中心地から見て、東)
Madingley Road マディングリー・ロード(西)
◎ Trumpington トランピントン(南)
◎ Milton ミルトン(北)
◎ Babraham Road バブラハム・ロード(南東)

 以前、骨折をした記事で登場したP&R(「イギリスで骨折したら」の『貸与されたギプスと松葉杖』)はMadingley Roadのことで、我が家からは徒歩3~4分のところにあります。

 ということは、つまり、我が家のある場所もケンブリッジ郊外ということです。まあ、それはいいんですが……。
 家から一番近いということもあって、ここではマディングリー・ロードのP&Rについて書いてみようと思います。

パーク・アンド・ライドの駐車料金は無料(18時間まで)

 P&Rによって駐車できる台数が違いますが、マディングリー・ロードでは、自家用車930台分の駐車場のほか、小さな子どもを連れている家族向け16台分、障害者向け12台分、電気自動車向け4台分、自転車40台分の駐車場(自転車を入れる専用のロッカーもある)が用意されています。
 このP&Rの優秀な点は、駐車18時間までは無料なところです。そのため、ケンブリッジでちょっと買い物のために近郊からやってきてその日のうちに帰るだけなら、駐車料金はかからないのです。すばらしい。詳細はこちら→ About – Madingley Road – Cambridge park and ride

 平日は駐車している車はまばらですが(写真は夕方に撮ったものだったので、もっとまばら)、土日はかなり利用者も多く、コロナ前は、バスがいつも混んでいました。

 自転車を駐輪できるスペースです。自転車もよく停まっているのを見かけるので、ここまで自転車で来て、バスに乗って中心部へ行く人もいるのかもしれません。写真中央から左側に見えるピンク色の箱は、自転車を入れる専用のロッカーです。

パーク・アンド・ライドと中心地を結ぶバスの運賃は£3(往復)

 P&Rから中心地を循環しているバスは、往復料金が£3(基本的に片道はない)、平日で10分おき、週末で15分おきに走っていて、マディングリー・ロードから出ているバスは中心地のど真ん中まで人を運んでくれるため、駐車場近くに住む住人たちにも便利なバスです(ただし、ロックダウン中の現在は、運行が中止されています)。
 
 また、ここは中・長距離バスの停車場でもあり、マディングリー・ロードには、ロンドンの東の海岸線サウスエンド方面や北のリバプール方面、またオックスフォードへ行くバスが出ています。南にあるトランピントンのP&Rには、ケンブリッジから一番近い国際空港のスタンステッド空港行きのバスや、ヒースロー空港行きの長距離バスも出ていて、こっちもすごく便利そう(現在、中・長距離バスは走っておらず、2021年3月29日より本数を減らして営業再開)。

 マディングリー・ロードのP&Rにあるインフォメーションのある建物です(後方から撮ったもの)。この建物の前にある道路沿いに、町中へ行くバスや中・長距離の乗降場があります。

Cambridge Independent(週刊新聞)が無料でもらえる

 これはほかのP&Rにあるサービスか分かりませんが、マディングリー・ロードのP&Rには、毎週水曜日に刊行されているケンブリッジのローカル新聞Cambridge Independentの専用ボックスが設置されており、自由に持って帰ることができるようになっています。
 ただし、この新聞、実はキオスクやスーパーでは£1.50で販売されています。以前、無料だと思って持って帰ったこの新聞に、値段が記載されてたことに気づき顔面蒼白になり、翌日P&Rへ行って事務員さんに事情を話してお金を払うと言ったら、『この新聞は、お店では販売されているものだけど、ここから持って帰る分には無料だよ』と教えてもらいました。これには安堵しました。あらためてボックスを見てみると、“Complimentary Copy”と書かれていますね。

 その後、近所のスーパーでこの新聞が売られているのを見たときは、本当に販売されているのかと驚きました。P&Rでは無料配布だけど、キオスクやスーパーでは販売されている、という事情を知らなければ、かなりややこしいですよね。変に疑われないよう、新聞をもらったあとはスーパーに寄ることを辞めました。

場所によってはイベントが開催されていることも

 マディングリー・ロードにはまだありませんが、P&Rの広大な場所を利用したイベントが開催されているところもあります。とくにトランピントンのP&Rでのカー・ブート・セール Car Boot Saleは、よく知られているのではないかと思います(現在は休止中で、どうやら2021年4月18日に再開されるようです)。カー・ブート・セールとは、車のトランク(イギリスではブート Bootと言います)を利用して不用品などを売る、フリーマーケットのようなものです。残念ながら私はまだ行ったことがなかったのですが、予定が合えば、4月18日に行ってみようかな……。
 
 
 車を持っていない人にとっては、P&Rは関係のなさそうな場所かもしれませんが、中・長距離バスが利用できたり、新聞が無料だったり、イベントが開かれたりしているところもあるので、近くのP&Rを調べてみるのもいいかもしれません。
 
にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です